- 1. 国内株の『高配当株』でヤバい銘柄・危険な投資の見抜き方
- 2. 高配当・高利回りが良いことではないのか?
- 3. 『不自然』な高配当株・銘柄を見抜くだけの経験は必要
- 4. 高配当・高利回りの企業に共通すること
- 5. 業績が悪い企業の高配当・高利回りはどうなるのか
- 6. なぜこの株・銘柄は高配当なのか理解できるかを判断基準に
- 7. なぜ儲かっているのに配当が少ない企業があるのか
- 8. 高配当株の『お宝』銘柄の探し方
- 9. 配当性向はインカムゲインを目指す投資家は必須の知識
- 10. 配当性向は低いのがダメ?高いのは良い?
- 11. 「高配当株」と「増配株」で迷った場合の買い入れ方
- 12. 高配当株の配当利益を目減りさせない運用方法
国内株の『高配当株』でヤバい銘柄・危険な投資の見抜き方
最初にご挨拶としてお伝えしたいのは、『高配当株』だけでなく筆者の私自身も配当によるインカムゲインもポートフォリオの一部分に組み入れています。
その中で、何度か危ない橋を渡ったこともありますし、やばい銘柄だったと思い返すと感じる経験もあります。
特に、近年の低金利による自己資本が増えない環境を打破するための情報は危険と紙一重の情報も含まれているということに注意喚起と共に、高配当・高利回りの銘柄へ投資して稼いでいただきたいと思っています。
高配当・高利回りが良いことではないのか?
配当や利回りが高すぎるのは不自然だと感じるリスクへのアンテナは常に立てておく必要があると言えます。
簡単に言えば、シャッター街でいきなり新品のロレックスを格安で売っていると不安になります。
なぜ安いのか?
なぜ買えるのか?
という不自然さというのは感覚ですが、この感覚こそが高配当株や高利回りの銘柄や投資でも重要になってきます。
『不自然』な高配当株・銘柄を見抜くだけの経験は必要
グロース企業で高配当である場合は株主を増やしたい・知名度を上げたいという戦略の一つで用いることもあります。
簡単に言えば売上は増収だが、純利益は減っている企業が競合よりはるか高い配当や利回りを出しているのは不自然だとみなさん思うはずです。
この不自然さを「それでも増える・稼げる」という欲に打ち勝つだけの検証力は必要です。
その検証するスキルは決算書を読んだり、投資候補先の競合の決算書まで熟読する投資家が得ることができます。
少なくとも、私たちメディアの情報を鵜呑みにするのは危険だというのは言うまでもありません。
グロース企業の特徴
従来の東証市場でいう、ジャスダックとマザーズを合わせたような市場となっています。
グロース市場は,3市場の中で上場基準が最も緩いですが、スタートアップ企業が多いため投資家としては、急成長株が集まる市場とも言えます。
高配当・高利回りの企業に共通すること
高配当・高利回りの企業や会社には必ず共通点があります。
それは、『儲かっている』ことです。
つまり業績が良い企業でないと配当を多く出すことはできないのです。
古い情報を元に投資してしまうと、過去8年は業績が良く高配当を持続できていたが、ここ2年大きく業績を落としている。
そんな場合、配当などを減らす可能性を示唆しなければなりません。
業績が悪い企業の高配当・高利回りはどうなるのか
業績がヤバいのに、配当が良い=賭け
業績や指数上、一時的に何か原因があり業績が落ち込んだという場合には配当や利回りを変えずに『耐える』企業が多いです。
しかし、原因が明確にわからないが、業績が好転していないのに高配当・高利回りを続けるというのは深掘りしても投資家にはリスクしかなく、インカムゲインより遥かに大きいキャピタルゲインでの損失が出る可能性を予測する必要があります。
グロース企業やベンチャー企業で上場した銘柄は特に、設備投資や従業員の増員など儲かっていても赤字になる企業もあります。
支出が多いということは手元資産がどうしても減りやすいため、急な経済情勢の変化に耐えられる期間は短いためハイリスク・ハイリターンと認識するべきでしょう。
なぜこの株・銘柄は高配当なのか理解できるかを判断基準に
買った時だけ高配当に捕まらない銘柄の選び方
「高配当株=お宝株」
そんな考え方にすら思える投資推奨の雑誌も散見されますが、逆に言えばなぜ高配当なのか。を理解できる株式銘柄とそうでないものがあります。
高配当だから業績もよく将来性もあると考える投資家もいますが、そもそも株価が下落し買い支えされない株であれば高配当でものちに、配当が下がる可能性もあります。
高配当株への投資はインカムゲインとキャピタルゲインの相殺でプラスにならなければ意味がありません。
つまり長期的には逓増性のある銘柄を選ばなければなりません。
なぜ儲かっているのに配当が少ない企業があるのか
投資家としての経験や『勘』で不自然さを感じるところまでいけばいいですが、逆に業績が良いのに無配当であったり、配当が非常に少ない企業や会社も存在します。
会社だけが儲けで資産を増やしつづけ、投資家への『感謝』がない企業だと感じる投資家も実際多くいます。
儲かっているのに配当を増やさないのが投資家への感謝
お礼をするときに、なるべく良いモノをお礼で渡す。
これが頂き物をした場合の当然の心理です。
配当というのは企業が投資家が出資してくれた『御礼』だとすれば、配当を上げるのが一番投資家に理解されやすい方法だと言えます。
もしも、配当を上げずに株価が大幅に上昇した場合投資家はどんな心象でしょうか。
インカムゲインは期待してなかった投資家を儲けさせると、再投資してくれる可能性も上がるのです。
結果として企業は投資家に利益を与えたいと考えている場合が多いのです。
配当を増やさない・無配当のままで、設備投資をおこなったりや大きなプロジェクトなどに着手する資金に配当を充て、株価を大幅に上げるサプライズを作るというのも企業が投資家にお礼をする方法もあることを知っておきましょう。
高配当株の『お宝』銘柄の探し方
高配当株には増配して高配当になったものと単発の営業利益が発生した場合や創立記念配当のようなイベント型の銘柄に分かれます。
イベント型の増配配当は今後も同じ配当になるかはわからないことに注意しなければなりません。
『買う時』だけでなく保有中に『株価』がどうなるか。
というワンステップ次の段階を予想して、高配当株は購入・保有するのが重要です。
配当性向はインカムゲインを目指す投資家は必須の知識
配当性向とは
配当性向とは、会社が税引後の利益である当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標です。
配当性向は、1株当たり配当額を1株当たり当期純利益で除して求められます。
(計算式)
1株当たり配当額÷1株当たり当期純利益×100(%)
配当性向は、一般的には20%~30%くらいが多いですが、配当がない企業などもあるため、一概には言えません。
理想としては40%であれば配当目的の投資家は真剣に購入を考えるボーダーラインとして覚えても良いでしょう
配当性向は低いのがダメ?高いのは良い?
配当性向は確かに高いことが投資家にとって望ましいとも言えますが、逆に投資家に還元するだけで会社に財務上資金が増えにくい経営とも判断することができます。
内部留保はある程度ないと、不測の事態で配当どころか株価が暴落する可能性があるので、明らかに配当性向が高すぎるのは危険だと言えます。
逆に配当性向が低いのは、経営基盤をしっかりさせたいという企業の目的を読み取ればネガティブとも言えません。
「高配当株」と「増配株」で迷った場合の買い入れ方
現時点で高配当株である場合と増配傾向の株は、やっていることは似ていますが、増配当銘柄を選ぶ方が良い場合があります。
現時点ではそこまで配当率が良くなくとも、将来的に高配当株になると考えられる企業はインカムゲインよりもキャピタルゲインで想像以上の利益が出る場合があります。
増配すれば株は買われ株価は上がりやすくなります。
それに加えて株が買われるとその企業への流入金額が大きくなるので増配が継続されやすくなります。
そのため、重複しますが、
『買った時』だけ高配当だった株価を買ってしまわぬように、増配当株への投資を選ぶ癖づけをしておくべきでしょう。
もちろん、増配等株であり高配当株が見つかれば最高ですが、そうなると株価は割高な場合が多いので、非常に難しい判断だと言えます。
高配当株の配当利益を目減りさせない運用方法
高配当株を保有しているのに、NISAやiDeCoを利用していない投資家も実はいます。
ただ、運用枠が少ないというあやふやな理由などだけで、NISA枠が残っているのに使っていないのは非常に勿体無いと言えます。
高配当株で配当を得ても税金のことに無関心であるのは、自身で勝ち得た賞金を捨てているようなモノなのです。
補足:『NISA』と『つみたてNISA』どっちが得?
現実的にNISAよりも運用ハードルが低く、運用資産・資金が少ない層向けとも考えることができます。
しかし、最長20年の運用期間×40万円を運用させることができる「つみたてNISA」は『NISA』よりも非課税枠は大きくなります。
NISAの非課税枠600万円
「つみたてNISA」の非課税枠800万円
非課税投資枠の年間40万円で月額で考えると月3万3000円ほどを運用していくことになります。
「現金で毎月3万3000円ほどを余らせて銀行に入れておくくらいなら、運用しなさいよ」という制度だと言える反面、つみたてNISAの方がNISAより優れているとも言えます。