ユニクロ・ファーストリテイリングの株は買うな!の本当の理由

ユニクロ・ファーストリテイリングの株は買うな!の本当の理由
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ユニクロの株は買うな!の本当の理由

ファストファッションから『ユニクロ』というブランドを築いた企業の株を日本国民全員が少しずつでも保有していたら国民は少し豊かになっていたと考えたことはないでしょうか?

GAFAなどのアメリカの企業に投資した自国のアメリカ国民が資産を増やしたように、日本もアパレル企業として世界3位のユニクロに投資すれば確実に資産を増やすことができました。

それにも関わらず、今もユニクロの株を多くの日本人が買わない理由は何なのでしょうか?

最低投資資本額1000万円超えのユニクロ・ファーストリテイリングの敷居の高さ

2022年の12月ファーストリテイリングは20年ぶりの1対3分割を株式分割を行いました。

そこで、多くの投資家がユニクロの株を買いにいくだろうとなりましたが、元々ユニクロのファーストリテイリングの株を最小購入単元で購入しようとしても1000万円台に乗った後も継続して800万円を超えていました。

そのため、1対3分割の分割後も結果として1株買うには300万円近い金額になるのです。

➡︎経営者になるためのノート [ 柳井正 ]

断固としてユニクロ・ファーストリテイリングは株式分割を行わなかった理由

ファーストリテイリングが仮に早く株式分割を行った場合、個人投資家や小規模資産家の投資対象となります。

このことでボラティリティは上がり、ファーストリテイリングの株価・指数連動のインデックスファンドから流入する莫大な資金も見込めるため分割が望ましいと考えるのが普通です。

➡︎ユニクロ監査役が書いた伸びる会社をつくる起業の教科書

しかし、ファーストリテイリングというブランドを安売りすることはなく、2021年にも投資単位の引き下げは検討すらしていないとメディアに回答しているのです。

「ユニクロの株を買うな」という声が聞こえる理由はここにあります。

参考:インデックスファンドとユニクロ・ファーストリテイリングの関係

インデックスファンドなど日経平均連動型のETFは投資信託の中でも非常に人気です。

その中で、日経平均株価に連動するという特性上、日経平均株価連動型のインデックスファンドを購入した場合、構成比に基づきファーストリテイリングの株も同時に買っているのと同じ作用が働きます。

ユニクロが日経平均株価や日本の経済に影響を持つ本当の理由

ユニクロが日経平均株価や日本の経済に影響を与えると聞いても「そうでしょうね」となると思いますが、本当に突き詰めて考えるとユニクロ・ファーストリテイリングの株価の高さにも戦略性があることがわかります。

日経平均株価に与えるユニクロの影響はメガバンクの100倍以上!?

日経平均株価はご存じの方も多いと思いますが、日本の企業の225銘柄から構成されています。

ここで注目したいのは225銘柄が一律で225分の1ではないということです。

企業・銘柄ごとに構成比が決まっており、構成比が高い企業が日経平均株価に大きく影響を与えます。

日経平均株価採用銘柄構成比一覧

1 ファーストリテイ(9983) 7.86%
2 東エレク(8035) 7.65%
3 ソフトバンクG(9984)  4.09%
4 KDDI(9433) 3.60%
5 ファナック(6954)  2.75%
6 ダイキン(6367)  2.55%
7 信越化(4063)  2.33%
8 アドバンテ(6857)  2.24%
9 テルモ(4543)  2.17%
10 京セラ(6971)  1.88%

つまり、一般常識で『大きい企業が影響力を持つ=時価総額』ではないということです。

そのエビデンスとして、ファーストリテイリングが0.1〜0.2%値上がりするのと財閥系メガバンクが単日で20%値上がりするのと日経平均株価に与える影響は同等なのです。

ユニクロを買うな!ファーストリテイリングを買うな!の声の正体

本来の企業と株主の関係性で株主が増えるということは、投資資金は企業の成長を繋げるということができるため、喜ばしいことです。

しかし、ユニクロ・ファーストリテイリングにとっては誰にでも投資されたくないという真意も伺えます。

➡︎投資はやめろ!と警告しているお金持ち・富裕層の行動

ユニクロは日本の個人投資家を儲けさせる・稼がす気がない

少し性格を悪く考えれば、ユニクロやGUの価格帯しか買えない・ファストファッションしか買えないという層を自らの株で儲けさせ、資産を持たせて客を減らすのはバカバカしいとも捉えることができるのです。

=ユニクロは個人投資家や日本人の平均所得を上げることに前向きではない

となるのです。

ユニクロは日本の個人投資家を儲けさせる・稼がす気がない=株主優待なし・配当も低い

一般的に、株式投資における平均配当利回りはプライム(旧:東証1部)は約1.69%

上場企業全体でも2%ほどの配当利回りがあります。

それに対してファーストリテイリングの実績配当利回り0.84%。

約半分の平均配当利回りで、高配当利回りとされる銘柄の基準は4%前後のため、配当目的の株主は増やしたくないと考えることができます。

➡︎国内株の『高配当株』でヤバい銘柄・危険な投資の見抜き方

➡︎『高配当ETF』は本当に儲かるのか?

逆説:儲かっているのに配当を増やさないユニクロの投資家への感謝

お礼をするときに、なるべく良いモノをお礼で渡す。

これが頂き物をした場合の当然の心理です。

配当というのは企業が投資家が出資してくれた『御礼』だとすれば、配当を上げるのが一番投資家に理解されやすい方法だと言えます。

もしも、配当を上げずに株価が大幅に上昇した場合投資家はどんな心象でしょうか。

インカムゲインは期待してなかった投資家を儲けさせると、再投資してくれる可能性も上がるのです。

結果として企業は投資家に利益を与えたいと考えている場合が多いのです。

配当を増やさない・無配当のままで、設備投資をおこなったりや大きなプロジェクトなどに着手する資金に配当を充て、株価を大幅に上げるサプライズを作るというのも企業が投資家にお礼をする方法もあることを知っておきましょう。

ファーストリテイリングが個人投資家を増やしたくない理由

配当利回りが高い企業の株価は、どうしても配当配当権利日までに売られることが多いので株価が売り優勢になりやすい傾向があります。

中長期的に保有してくれる(=長期間資金を預けてくれる)投資家≒都合の良い投資家を集めるには一定の制限を儲ける必要があるのです。

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ユニクロのファーストリテイリングが大暴落するのは日本経済が混乱する

ここまでのことを整理すると、日経平均株価は日本の経済のメイン指標で、日経平均株価に大きく影響を与えるのがユニクロのファーストリテイリングだということです。

つまり、日経平均株価が下がったからファーストリテイリングも連れ下がりした、というのではなく、ファーストリテイリングの株価を高止まりさせないと日経平均株価は暴落させかねないという相関性が生まれています。

日本政府がユニクロを間接的に応援するが・・・

ユニクロ・ファーストリテイリングは柳井正氏

私たち日本人の年金を運用するGPIFは約25%日本株で運用しています。

このGPIFは厚生労働大臣から委託されているため、日本政府が後援しているとも言えます。

その中で、GPIFは

  • 三菱UFJFG
  • 三井住友FG
  • ホンダ
  • 武田薬品
  • アステラス製薬
  • 日立製作所
  • 東京海上HD
  • JR東海

などの筆頭株主になっています。

トヨタは外資系のJPモルガンなどの外資系企業が大口株主になっていながらも、日本カストディ銀行として上位4番目5%以上の保有比率を持っています。

➡︎なぜ今トヨタ自動車の株を今買い集めるのか

日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主になっているため、実質的に株を買い占めていると言えます。

ファーストリテイリングは柳井正氏と同族3名を合わせると筆頭株主になります。

自社株買いの有無ではなく創設者として持ち得る株数の優位性を失わないようにしっかり経営戦略が組まれていると言えます。

大口株主に経営権を乗っ取られないようにこの家族で筆頭株主という『輪』は崩さないでしょう。

今後、株式分割後にGPIFはどれだけファーストリテイリングを『買い』シェア率を伸ばしてくるかも注目ポイントだと言えます。

 

▷▷▷『まだ続ける?』『まだ信じる?』間違った金融リテラシー

GPIFとは?

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は厚生労働大臣より委託され、日本国民の年金の運用方針・基本ポートフォリオを含めた中期計画等の策定をしています。

GPIFはあくまでも日本国民の年金の運用方針・基本ポートフォリオを含めた中期計画等の策定をするのみで運用は機関投資家へ委託しています。

ファーストリテイリングの戦略勝ち・年収4割増・初任給30万円の経営方針

ファーストリテイリングの従業員は約10万人います。

最大4割の賃上げの対象は1割に満たない約8400人

=8400/100,000人

その中でファーストリテイリングのグローバルコース(世界転勤可の正社員)はエリート中のエリートです。

TOEICは900点以上で国内店舗で既に実績を上げ年収1000万円を超える正社員に的を絞っているとも言えます。

既に高給取りになったユニクロの正社員になぜ、さらなる年収増をさせるのか。

ファーストリテイリングのグローバルコースの人材は外資系企業からのヘッドハンティングも多く、世界規模で言えば、ファーストリテイリングの給料は圧倒的に低いのです。

ちなみに、日本の国際競争に優位性を発揮できるとされるマネジメント職の給料水準はアメリカの半分以下です。

つまり、米国企業からすればグローバル市場の即戦力となる人材は半値以下で調達できる先は日本となるのです。

ユニクロが日本のシェアを確立させ、世界で生き残っていくには世界基準に待遇を上げていくしか方法はなかったと言えます。

なぜお金持ちはユニクロを愛用するのか