DeFiとスマートコントラクトの保険とCDS活用法

DeFiとスマートコントラクトの保険とCDS活用法

DeFi保険とは

DeFi保険とは、損害保険のカテゴリーの金融商品でDeFiサービスに対して、スマートコントラクト保険への加入が可能となります。

DeFiサービスでのハッキングやバグなどによって保有資産の損失に対して補償されます。

補足:DeFiとは何か

DeFi(Decentralized Finance)は経済紙やネットの言葉を用いると『中央管理者を必要としない分散型金融』のことです。

ここでの中央管理者というのは中央銀行や政府機関をイメージしてもらうと、銀行を必要としないで銀行が行っているサービスが受けられるということです。

中央銀行や政府機関はDeFiの反対語でCeFi(=Centralized Finance)の略です。

CiFiが分散型金融に対して『中央集権金融』を表します。

➡︎DeFiで稼ぐ方法と流動性マイニングの関係・仕組みを理解する

DeFi保険=「Nexus Mutual」=分散型保険組合

DeFi保険の中で最もポピュラーなのが、Nexus Mutual(ネクサスミューチュアル)です。

Nexus Mutualは、相互扶助のという既存の保険商品や概念でも用いられ『分散型保険組合』と呼ばれています。

保険業界の方には『P2P保険』にも似た部分があり共済などにも似ている部分があると言えます。。

Nexus Mutualの保険組合は、Nexus Mutual (NXM)という独自のガバナンストークンを用いて運営されており、Nexus Mutualの保険組合に参加したい者が組合費(保険料)を支払い、損害発生時(保険金支払い事由が発生した際)この組合費からNexus Mutual (NXM)で支払われます。

現在Nexus Mutualはまだ日本での加入はできません。

既存の損害保険会社が発売している保険商品とは違い、Nexus MutualのDeFi保険には誰でも加入できるというわけではありません。

DeFi保険=『yInsure Finance (Yearn Finance)』≒Nexus Mutual

『yInsure Finance (Yearn Finance)』=NFT版スマートコントラクト保険

『yInsure Finance (Yearn Finance)』は、金融テクノロジー開発を専門にしていたAndre Cronjeが創業しました。

DeFi保険の中で最もポピュラーなのが、Nexus Mutual(ネクサスミューチュアル)の後発的で利便性・流用性を高めた金融商品と言えます。

Nexus Mutualは前述通り、誰でも加入できるというわけではありません。

逆に保険加入・メンバーになるためにはどうすればいいのか、というと『KYC』が必要でした。

このKYCが参加条件・加入要件となっていたため、このKYCを不要にする仕組みを作りました。

補足:KYCとは

KYCとは、『Know Your Customer』の略で、銀行口座や仮想通貨口座を開設するとき等に必要となる『本人確認手続き』の総称を意味します。

類義語として『eKYC』もあり、この本人確認手続きをオンラインで行うことを言います。

yInsureは、Nexus MutualのDeFi保険をNFT化し、『yNFT』として販売しているのです。

確かに保険商品の『商品』は保険金ではなく証券なので、証券をNFT化したと考えれば保険を契約するのも、証券を買うのも大差はないと言えます。

Nexus Mutual ではNXMがガバナンストークンでしたが、yearn.financeでは『YFI』がガバナンストークンです。

これらのyNFTは、NFTの二次流通マーケット(Rarible)でも購入が可能です。

DeFi保険≠『Credit Default Swap(CDS)』を代替え活用=『Opium』

CDS(Credit Default Swap)を応用させ、ボラティリティの高い仮想通貨・暗号資産に対するデフォルトなどのリスクヘッジ、保険として利用できる活用方法が存在します。

具体的にはステーブルコイン向けのデフォルトに備える保険でデフォルト保険とも言えるでしょう。

この仮想通貨・暗号資産のCDSを販売・提供しているのがデリバティブ取引所の『Opium』です。

Opiumの販売しているステーブルコインのCDSを購入するとデフォルトが発生しても、保険金を受け取り損害を相殺することができます。

補足:ステーブルコインとは

ステーブルコインとは別名ペッグコインとも呼ばれ、別の通貨の価値と連動させることを目的とした通貨です。

代表的なステーブルコインはテザー(USDT)で米ドルに連動しており1USドル=約1USDTになるように固定されています。

利用目的が投資ではなく仮想通貨上で出た収益などを同価値のまま置いておくことに利用されます。

価値が保たれる理由としては、テザー(USDT)の運営元であるテザー社が保有している米ドルが担保になるためです。

しかし、テザー(USDT)は発行に係る裏付け資金として米ドルを保有できているのか嫌疑があり、万が一保有できてない状態であれば債務不履行(デフォルト)が発生する可能性も懸念されています。

参考:儲けにくいテザー(USDT)を買う理由、何に価値があるのかより 

補足2:CDS(Credit Default Swap・クレジット・デフォルト・スワップ)とは

CDSとはCredit Default Swap(クレジット・デフォルト・スワップ)の略で、ローンや債券など債務の発行体の信用リスクに対するデリバティブまたはコントラクトのことを言います。

仮想通貨・暗号資産で安心・安全性を感じられるかどうかの判断材料や市場の裏付け(≒クレジットリスク)というのは未知数であり流動的です。

そのため、保証や担保というのが非常に少ないカテゴリーとも言えます。

その中で、クレジットリスクそのものを流通できるように、金融商品化したものがCDSです。

クレジットリスクの中に、デフォルトやリスケジューリング・クレジットイベントに対するリスクヘッジが可能な保険として利用できるものが存在しています。

筆者の見解:

DeFi保険はまだまだ認知度・利用者・提供業社が少なく、日本ではさらに金融商品取引法の基に守られるところが曖昧で世界共通であるものは少ないと言えます。

日本は特に非常に金融商品取引法が厳しいため、安定・安全な環境に慣れていますが、仮想通貨・暗号資産のDeFiは世界規模に私たちが順応していく必要があるとも言えます。

【参考執筆記事】

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