【初心者でもわかる】ステーブルコイン『USDC』と『USDT』の違いは?
ステーブルコイン供給量の節目として言われていた1800億ドルに2022年年始に到達しました。
このことがステーブルコインの重要性や投資への影響・チャンスを再度見直す機会になりつつあります。
さらに、ステーブルコインの不安要素であり、特徴でもある裏付け資金問題についても注目が集まっています。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは別名ペッグコインとも呼ばれ、別の通貨の価値と連動させることを目的とした通貨です。
例えば、テザーで言うと米ドルに連動しており1USドル=約1USDTになるように固定されています。
利用目的が投資ではなく仮想通貨上で出た収益などを同価値のまま置いておくことに利用されます。
価値が保たれる理由としては、テザー(USDT)の運営元であるテザー社が保有している米ドルが担保になるためです。
テザー(USDT)の特徴
テザー(USDT)は2015年に誕生したステーブルコインです。
テザー(USDT)は法定通貨担保型のステーブルコインで、ドルのペッグ通貨です。
ドルと連動するための価格の裏付けとしては米ドル(米国国債)が利用されています。
テザー(USDT)は、イーサリアムベースのステーブルコインです。
USD Coin(USDC)の特徴
USD Coin(USDC)はテザー(USDT)の3年後、2018年に誕生したステーブルコインです。
USD Coin(USDC)も法定通貨担保型のステーブルコインで、ドルのペッグ通貨です。
ドルと連動するための価格の裏付けとしてテザー(USDT)と同様に米ドル(米国国債)が利用されています。
➡︎日本円連動型のステーブルコイン『Progmat Coin』とは?
USD Coin(USDC)も、イーサリアムベースのステーブルコインです。
テザー(USDT)とUSD Coin(USDC)の時価総額
テザー(USDT)とUSD Coin(USDC)はイーサリアムベースのステーブルコインであり、法定通貨担保型のステーブルコインで、ドルのペッグ通貨という共通点があります。
しかし、時価総額はテザー(USDT)の方が高い点は知っておくべき点だと言えます。
テザー(USDT)の特徴
テザー(USDT)はTether Limited社が運営しています。
USD Coin(USDC)の特徴
USD Coin(USDC)はCENTREという組織によって運営されています。
CENTREとは仮想通貨取引所のCoinbaseと大手フィンテック企業Circleによって設立されたオープンソースプロジェクト
テザー(USDT)とUSD Coin(USDC)の違い=信頼・信用
テザー(USDT)と言えばやはり時価総額や流通量の多さにフォーカスされ、現時点ではステーブルコイン=テザー(USDT)という位置付けになっています。
しかし、テザー(USDT)は『テザー疑惑』という問題があります。
補足:テザー疑惑とは
テザーの価値を裏付けている米ドルを、テザーの発行者であるTether Limited社が保有していないのではないのか、という疑惑のことです。
2021年テザー社の総資産は約352.7億ドル、それに対して連結総負債額が351.5億ドルとされているため、会計上は担保性を維持されていることになります。
しかし、テザー社の準備資産の76%である「現金及び現金等貨物」の内訳を深く読みとるとテザー疑惑はまだ全て晴れたとは言い難いとも言えます。
「現金及び現金等貨物」の内訳
- 65.39%:コマーシャルペーパー
- 24.12%:信託預金
- 3.87%:現金
- 3.6%:リバースレポ・ノート
- 2.94%:短期国債
一方、時価総額は少ないとは言えUSD Coin(USDC)の運営元CENTREは毎月大手会計事務所のGrant Thorntonの監査を受け、下記が裏付け資産と公開されています。
補足:USD Coin(USDC)の裏付け資産(内訳)
- 現金と現金同等物:61%
- 譲渡性預金:13%
- 米国債:12%
- コマーシャルペーパー:9%
- 社債:5%
- 地方債とエージェンシー債:0.2%
テザー(USDT)とUSD Coin(USDC)の違い=管理体制
テザー(USDT)とUSD Coin(USDC)のどちらも中央集権型ステーブルコインと呼ぶことができます。
しかし、中央集権型ステーブルコインの中にも違いがありUSDCoin(USDC)はオープンソース化されているため、テザー(USDT)よりも1社による独占管理とは言い難いと評価できます。
テザー(USDT)とUSD Coin(USDC)の使い方・活用方法=インパーマネントロス対策
ステーブルコインの活用=インパーマネントロス対策
ボラティリティの高い仮想通貨から一時待避させることを投資用語ではインパーマネントロス対策と呼びます
テザー(USDT)とUSD Coin(USDC)は多くの仮想通貨のボラティリティに対策として用いられます。
含み益が出た場合、そのままにしておくと目減りのリスクが高いため、利益確定を行い、次の大きな変動に備える=インパーマネントロス対策に活用することができます。
テザーキラー『USD Coin(USDC)』
USD Coin(USDC)はテザー(USDT)の3年『後輩』という位置付けにはなっていますが、2021年3月にVISAがUSDCによる決済を認める方針を発表したり、USDCの運営元が米国証券取引委員会(SEC)へ米国の国法銀行になる意向を示すなど勢いはあると評価することができます。