『排気量≠車名』その名前、どう決まってる?SUVのネーミング法則

『排気量≠車名』その名前、どう決まってる?SUVのネーミング法則
目次

『排気量≠車名』その名前、どう決まってる?SUVのネーミング法則

1. かつては排気量を示すことが一般的だった

昔の車名では、数字が排気量(cc単位)を表すことが多かったです。例えば:

トヨタ「カローラ1200」(1.2Lエンジン)
ホンダ「シビック1500」(1.5Lエンジン)
日産「スカイライン2000GT」(2.0Lエンジン)

しかし、現代ではこのルールに必ずしも従わなくなっています。

2. 例外が増えている(排気量と無関係な命名)

現在では、車名の数字が排気量とは関係ない意味を持つことが増えています。

✔ BMWやメルセデス・ベンツのケース

昔はBMWやメルセデスの車名は排気量を反映していました。
たとえば、BMW 320i → 2.0Lエンジン、メルセデス E500 → 5.0Lエンジン など。

しかし、現代のBMWやメルセデスはターボ化・ダウンサイジング化が進み、車名の数字と排気量がズレることが多くなりました。

BMW「330i」 → 実際の排気量は2.0L(ターボでパワーを上げている)
メルセデス「C200」 → 実際の排気量は1.5L(マイルドハイブリッド)
アウディ「A4 45 TFSI」 → 実際の排気量は2.0L(数値は出力レベル)

このように、排気量ではなく、出力やグレードを示す数字になっている場合が多いです。

 排気量以外の意味を持つ数字も多い

車名の数字が排気量を表さないケースとして、以下のような例があります。

✔ 車のシリーズやモデルを示す場合

マツダ「CX-5」「CX-8」車格の違いを表す(排気量とは関係なし)
ポルシェ「911」「718」歴史的な車名であり、排気量とは無関係
フェラーリ「458」「488」 → **エンジンの1気筒あたりの排気量(cc)**を示す(458は4.5L V8、488は4.0L V8ターボ)

① 2.0Lターボがかつての3.0L~4.0L NA(自然吸気)に匹敵する

かつて、3.0L V6や4.0L V8といったエンジンが主流だったクラスでも、現在は2.0Lターボが主流になっています。

トヨタ「GRスープラ(A90)」 → 2.0L直4ターボ(258PS)/3.0L直6ターボ(387PS)
 → かつてのスープラ(A80型)は3.0Lターボで280PSだったが、新型は2.0Lでもほぼ同じ出力を発揮

メルセデスAMG「A45 S」 → 2.0L直4ターボ(421PS)
 → かつての4.0L V8エンジン並みの出力を、わずか2.0Lで実現

BMW「M340i」 → 3.0L直6ターボ(387PS)
 → 以前の4.0L V8 NA(M3 E92型・420PS)に迫るパワー

ホンダ「シビックタイプR(FL5)」 → 2.0L直4ターボ(330PS)
 → かつての3.5L V6並みの出力

スバル「WRX S4」 → 2.4L水平対向4気筒ターボ(275PS)
 → 以前の3.0L~3.5L NAエンジン並みのパワー

→ 2.0L~2.4Lターボで、かつての3.0L~4.0LのNAエンジン並みの出力が実現!

② 3.0Lターボがかつての4.5L~5.0L NAに匹敵する

さらに、3.0Lターボは、かつての4.5L~5.0L V8並みのパワーを発揮するようになりました。

トヨタ「クラウン RS」 → 2.4L直4ターボ+ハイブリッド(272PS)
 → かつてのクラウン3.5L V6(315PS)に匹敵する

日産「スカイライン400R」 → 3.0L V6ターボ(405PS)
 → かつてのスカイラインGT-R(RB26DETT・2.6L直6ツインターボ・280PS)を大幅に超える

BMW「M550i」 → 4.4L V8ターボ(530PS)
 → かつての5.0L V10(E60 M5・507PS)より強力

メルセデスAMG「E53」 → 3.0L直6ターボ+マイルドハイブリッド(435PS)
 → 以前のE500(5.5L V8 NA・388PS)を超える

アウディ「S6」 → 2.9L V6ターボ(450PS)
 → かつての4.2L V8 NA(S6・420PS)よりも強力

→ 3.0Lターボは、かつての4.5L~5.0L NAエンジンを上回るパワーを持つ!

③ 4.0Lターボがかつての6.0L~7.0L NA並みに

ターボ技術の進化で、4.0Lターボがかつての6.0L~7.0L V8やV10 NAに匹敵するようになっています。

ポルシェ「911 ターボS」 → 3.8Lフラット6ターボ(650PS)
 → かつての5.7L V10 NA(カレラGT・612PS)を超える

メルセデスAMG「GT 63 S」 → 4.0L V8ターボ(639PS)
 → かつての6.2L V8 NA(AMG GT・571PS)を圧倒

BMW「M8コンペティション」 → 4.4L V8ターボ(625PS)
 → 以前の6.0L V12 NA(760Li・610PS)より強力

フェラーリ「Roma」 → 3.9L V8ターボ(620PS)
 → かつての5.0L V12 NA(550マラネロ・485PS)を超える

→ 4.0Lターボは、かつての6.0L~7.0L V8/V10を凌駕!


④ ハイブリッド技術がさらなるパワーアップを実現

ハイブリッド技術の進化により、排気量が小さくても電動アシストで大排気量エンジン以上のパワーを発揮する例が増えています。

トヨタ「GRスーパースポーツ」(ル・マン由来の市販車) → 2.4L V6ターボ+ハイブリッド(1000PS超)
フェラーリ「SF90 Stradale」 → 4.0L V8ターボ+ハイブリッド(1000PS)
マクラーレン「Artura」 → 3.0L V6ターボ+ハイブリッド(680PS)
ランボルギーニ「Revuelto」 → 6.5L V12 NA+ハイブリッド(1015PS)

電動アシストにより、従来のNAエンジンでは不可能だったパワーを発揮!

🚗 2.0Lターボ → かつての3.0L~4.0L NAに匹敵
🚗 3.0Lターボ → かつての4.5L~5.0L NAに匹敵
🚗 4.0Lターボ → かつての6.0L~7.0L NAに匹敵
🚗 ハイブリッド → さらに上の次元へ

つまり、現在の車は「排気量=パワー」という常識が完全に崩れ、小排気量でも大排気量エンジン並みのパフォーマンスを発揮する時代になっているのです。

4. ターボやハイブリッド化で排気量とパワーの関係が崩れた

近年はターボやハイブリッド技術の発達により、「排気量が小さくても大きなパワーが出る」ことが普通になりました。

例えば、昔の3.0L自然吸気エンジンと、現代の2.0Lターボエンジンでは、2.0Lターボの方がパワーが大きいこともあります。

日産「スカイライン400R」 → 実際の排気量は3.0L(400は馬力を表す)
メルセデス「AMG A45」 → 実際の排気量は2.0L(45はパワーレベル)

このように、「排気量ではなく、出力やグレードを示す数字」が増えてきています。

車の「クラス・ヒエラルキー」を基準にする(例:レクサス・日産)

一部のメーカーは、排気量や出力ではなく、車のクラス(上位・下位の関係)を数字で表すことがあります。

🔹 レクサスの例

  • IS 300(2.0Lターボ or 2.5L NA)
  • IS 350(3.5L NA)
  • LS 500(3.5Lターボ)

「300」「350」「500」などの数字は、排気量と完全には一致していませんが、モデルの格やパワーのクラスを表していることが多いです。

レクサスの命名規則(SUV・セダン・クーペ別)

レクサスの車名には、以下のような法則性があります。

① SUVモデル(”X” を含む)

SUVには必ず「X(Crossover)」の文字が入り、サイズやクラスによって異なる名称が与えられています。

車名意味・由来
UXUrban Crossover(都市型クロスオーバー)
NXNimble Crossover(俊敏なクロスオーバー)
RXRadiant Crossover(輝かしいクロスオーバー)
GXGrand Crossover(大型クロスオーバー)
LXLuxury Crossover(高級クロスオーバー)

💡 ポイント
XがSUVの共通要素(UX・NX・RX・GX・LX)
アルファベットの前の文字でクラスを表現(U=Urban、N=Nimble、R=Radiantなど)
小型SUVからフラッグシップSUVまで体系的に命名

② セダン・クーペモデル(”S” や “C” を含む)

セダンやクーペのモデルは、以下のように命名されています。

車名意味・由来
ISIntelligent Sport(知的なスポーツセダン)
ESExecutive Sedan(エグゼクティブ向けセダン)
GSGrand Sedan(上級グランドセダン)
LSLuxury Sedan(高級フラッグシップセダン)
RCRadical Coupe(革新的なクーペ)
LCLuxury Coupe(高級クーペ)

💡 ポイント
セダンは「S(Sedan)」を含む(IS・ES・GS・LS)
クーペは「C(Coupe)」を含む(RC・LC)
上位グレードほど頭文字のアルファベットが後ろに(Lが最上級)

③ ハイブリッド・電動車の「h」や「e」の意味

レクサスの車名には、ハイブリッド(HEV)や電気自動車(EV)を示す記号が追加されることがあります。

記号意味
hHybrid(ハイブリッド車)
eElectric(電気自動車)

🔹

  • RX 500h → RXシリーズのハイブリッドモデル
  • UX 300e → UXシリーズの電気自動車

3. 数字のルール(エンジン出力ベース)

レクサスの車名に付く数字(300、350、500など)は、かつては排気量を表していましたが、近年はエンジンの出力(馬力)を基準にした分類に変わっています。

数字の意味の変遷

時代数字の意味
昔(〜2010年代前半)排気量(L × 100)IS 250(2.5L)、RX 350(3.5L)
現在(2010年代後半〜)エンジン出力の目安RX 500h(500馬力級のパワー)

🔹 例(現在の基準)

  • IS 300 → 300馬力相当の出力を持つエンジン
  • RX 350 → 350馬力相当の出力を持つエンジン
  • LS 500 → 500馬力相当の出力を持つエンジン

💡 ポイント
過去は「排気量(L × 100)」だったが、現在は出力ベース
ハイブリッドや電動モデルはさらに異なる出力基準を採用

レクサスの命名ルールのポイント

カテゴリ命名規則の特徴
SUV「X」 を含む(UX・NX・RX・GX・LX)
セダン・クーペ「S」または「C」 を含む(IS・ES・GS・LS・RC・LC)
電動モデル「h(ハイブリッド)」や「e(EV)」 を追加
数字の意味現在はエンジン出力の目安(馬力基準)

🚗 結論 → レクサスの命名は「車種 × 性能 × パワー」の法則で成り立っている!

🔹 日産の例(スカイライン)

  • スカイライン 300GT(3.0Lターボ・300PS)
  • スカイライン 400R(3.0Lターボ・405PS)

「300GT」は300PS、「400R」は400PSという意味で、排気量とは関係なくなっています。

③ 過去のネーミングを継承する(例:ポルシェ・フェラーリ)

一部のメーカーは、排気量が変わっても過去の有名なネーミングを維持するために、数字をそのまま使うケースがあります。

🔹 ポルシェの例

  • 911(3.0Lターボ or 4.0L NA) →「911」は1960年代の初代モデルから続く名前で、排気量とは関係なし
  • 718(2.0L or 2.5Lターボ) →「718」は1950年代のレースカーのオマージュ

🔹 フェラーリの例

  • 488 GTB(3.9L V8ターボ) →「488」は「1気筒あたりの排気量」を意味する(3.9L ÷ 8気筒 = 488cc)
  • 812 Superfast(6.5L V12) →「812」は「800PS・12気筒」を表す

フェラーリは「488」「812」のように独自の命名ルールを持っています。

フェラーリの車名には、いくつかの独自の命名ルールや規則性があります。これらは時代とともに変化しており、大きく分けると以下の4つのルールが使われてきました。

フェラーリのクラシックな「排気量×気筒数」方式(1947年〜1980年代)

初期のフェラーリでは、1気筒あたりの排気量(cc)を車名の数字にする命名ルールが一般的でした。

🔹

  • 125 S(1.5L V12)1気筒あたり125cc(= 1,500cc ÷ 12)
  • 250 GTO(3.0L V12)1気筒あたり250cc(= 3,000cc ÷ 12)
  • 275 GTB(3.3L V12)1気筒あたり275cc(= 3,300cc ÷ 12)
  • 365 GTB/4(4.4L V12)1気筒あたり365cc(= 4,400cc ÷ 12)

📌 特徴
✅ 排気量を直感的に理解できる
✅ 気筒数の違うモデルを区別しやすい
✅ 1950〜70年代のV12モデルに多く採用

フェラーリの総排気量(cc)表記方式(1980年代〜1990年代)

1980年代以降、エンジンの総排気量(L)を直接車名の数字にする方法が主流になりました。

🔹

  • 308 GTB(3.0L V8)3.0Lエンジン + 8気筒
  • 328 GTS(3.2L V8)3.2Lエンジン + 8気筒
  • 348 TB(3.4L V8)3.4Lエンジン + 8気筒
  • 512 TR(5.0L V12)5.0Lエンジン + 12気筒

📌 特徴
✅ エンジンの総排気量が直感的にわかる
✅ 「気筒数」を組み合わせて表記することが多い
✅ 1980〜1990年代のV8・V12モデルに採用

フェラーリの特殊なルールを採用したモデル(1990年代以降)

1990年代後半からは、数字に排気量以外の意味を持たせるモデルも登場しました。

🔹

  • F355(3.5L V8・5バルブ)3.5L + 各気筒5バルブ
  • F50(4.7L V12)50周年記念モデル(排気量と無関係)
  • 360 Modena(3.6L V8)3.6Lエンジン + モデナ(地名)
  • 458 Italia(4.5L V8)4.5Lエンジン + 8気筒 + イタリアの誇り

📌 特徴
✅ 必ずしも排気量と一致しない
✅ 記念モデルや特別な意味を持つネーミングが増加

フェラーリの近年の「出力ベース」命名(2010年代以降)

近年のフェラーリでは、エンジンの出力(馬力)に基づくネーミングが増えてきました。

🔹

  • 488 GTB(3.9L V8ツインターボ)1気筒あたり488cc(= 3,902cc ÷ 8)
  • 812 Superfast(6.5L V12)800馬力 + 12気筒
  • F8 Tributo(3.9L V8ツインターボ)F8(Ferrari V8)+ トリビュート(称賛)
  • SF90 Stradale(4.0L V8ハイブリッド・1,000馬力)スクーデリア・フェラーリ90周年

📌 特徴
✅ 出力(馬力)や歴史的な意味を含めるケースが増加
✅ 排気量ではなくブランドイメージを強調

フェラーリの命名規則は時代とともに変化!

時代命名方式特徴
1940〜70年代1気筒あたりの排気量250 GTO, 365 GTB/4V12モデル中心
1980〜90年代総排気量(L)+ 気筒数308 GTB, 512 TRV8・V12モデルに採用
1990年代以降特殊なルール(記念・地名)F50, 360 Modena, 458 Italia特別な意味を持たせる
2010年代以降出力(馬力)ベース488 GTB, 812 Superfast, SF90 Stradale排気量以外の要素が増加

🚗 結論 → 昔は「排気量=車名」だったが、現在は出力・歴史・ブランドイメージ重視の命名にシフトしている!

④ 数字ではなく名前にする(例:トヨタ・ホンダ・マツダ)

日本メーカーの多くは、数字ではなく**独自の名前(ブランド名)**を使うケースが増えています。

🔹 トヨタの例

  • 「クラウン」→ かつては「クラウンロイヤル3.0」など排気量表記だったが、現在は単に「クラウン」
  • 「カローラ」→ かつて「カローラ1600」だったが、現在は「カローラスポーツ」「カローラクロス」

🔹 ホンダの例

  • 「シビック」「アコード」→ 排気量表記は使わず、モデル名のみ

🔹 マツダの例

  • 「CX-5」「CX-8」→ 数字は車のサイズを示す(排気量とは関係なし)

結論:今の車の数字は「排気量ではなく、ヒエラルキーや出力」を表すものが多い!

📌 メルセデス・BMW・アウディ → エンジンの「パワー」に基づく数字
📌 レクサス・日産 → 車の「クラス(上位・下位)」を表す数字
📌 ポルシェ・フェラーリ → 伝統的なネーミングを継承
📌 トヨタ・ホンダ・マツダ → 数字ではなく「名前重視」

🚗 結論 → 昔のように「330=3.3L」「500=5.0L」とは限らず、メーカーごとに独自の命名ルールがある!

結論:車名の数字=排気量ではない!

かつては車名の数字=排気量(cc)が一般的でしたが、現在では以下のような理由で例外が増えています。

ターボ・ハイブリッド化で排気量が小さくなった
数字がシリーズ名や出力を示すことが増えた
ブランドの命名ルールが変化した

そのため、「車名の数字=排気量」と単純に考えるのは間違いであり、実際の排気量はスペックを確認しないと分からないというのが現代の車事情です。