20代でもしっかり資産運用 企業型確定拠出年金(企業型DC)制度の有効活用と仕組み
企業型確定拠出年金(企業型DC)制度とは?
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、企業が従業員のために運営する年金制度の一つです。退職後の生活資金を準備するために役立つ制度で、以下のような特徴があります。
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企業型確定拠出年金(企業型DC)制度の仕組みを理解する
掛金は企業が拠出
自分の給与からではなく、企業が毎月一定額を積み立ててくれる。これが資産形成のベースになる。
運用先を自分で選ぶ
投資信託(株式型、債券型、バランス型)や定期預金などから運用商品を選択し、資産を増やす。
運用結果で将来の受取額が決まる
自分の運用判断が将来の資産額に直結するため、運用の基礎を理解することが重要。
- 企業が掛金を拠出:
毎月、企業が決めた金額(掛金)が従業員の専用口座に積み立てられます。掛金は給与とは別に支給されるので、自分の負担はありません。 - 運用先を自分で選ぶ:
積み立てたお金を、投資信託や定期預金など、用意された選択肢の中から運用します。運用結果によって将来受け取る年金額が変わります。
企業型確定拠出年金(企業型DC)制度のメリット
- 税制優遇がある:
- 拠出金は非課税(所得税や住民税がかからない)。
- 運用で得た利益も非課税。
- 年金を受け取る際も、一部が税制優遇を受けられます。
- 将来の資産形成ができる:
若いうちから運用を始めることで、長期の複利効果を得られ、効率的に資産を増やせます。 - 企業が掛金を負担:
自分で積み立てなくても企業が掛金を出してくれるため、貯蓄感覚で資産が増えていきます。
企業型確定拠出年金(企業型DC)制度を上手に活用する3つのステップ
ステップ1: 目標を明確にする
- 退職後の生活をイメージ
どのくらいの資産が必要かを考える。例えば、「退職後の生活費」や「旅行や趣味の資金」など、具体的なゴールを設定する。 - リスク許容度を確認
自分がどれだけリスクを取れるかを考える。20~30代は長期運用が可能なため、リスクを取る余地が大きい。
ステップ2: 運用商品を選ぶ
- 商品タイプを理解する
- 株式型投資信託: 成長が期待できるが、リスクも高い。長期運用向き。
- 債券型投資信託: 安定性が高いがリターンは控えめ。リスクを抑えたい人向き。
- バランス型投資信託: 株式と債券を組み合わせたもの。初心者におすすめ。
- 定期預金: 元本保証だが、リターンは低い。短期的な安全性を重視する場合に適している。
- 分散投資を心がける
株式型だけに偏らず、債券型やバランス型を組み合わせることでリスクを分散。 - 20代・30代のおすすめ配分例
- 株式型: 70%
- 債券型: 20%
- 定期預金: 10%
※年齢やリスク許容度に応じて調整。
成功のためのヒント
- 長期運用を活かす
若いうちに始めると「複利効果」で資産が効率よく増える。焦らず長期目線で運用する。 - 手数料に注意
投資信託には運用手数料(信託報酬)がかかるため、手数料が低い商品を選ぶと効率的。 - リスクを恐れすぎない
元本割れのリスクを避けるために安全な商品ばかり選ぶと、リターンが低くなる。若いうちはリスクを取ることも必要。 - 60歳まで引き出せない点を活用
強制的に貯蓄される仕組みを利用し、将来の資産形成に集中できる。
企業型確定拠出年金(企業型DC)制度の注意点
- 運用リスクがある:
自分で選んだ運用商品によっては、元本割れ(積み立てた金額が減る)する可能性があります。リスクを理解した上で選ぶことが大切です。 - 60歳まで引き出せない:
積み立てたお金は60歳になるまで引き出せません。急な出費には使えないので注意が必要です。 - 運用の知識が必要:
投資信託や債券など、運用商品の内容を理解して選ぶ必要があります。
企業型確定拠出年金(企業型DC)制度の20代での活用ポイント
- 長期運用を活かす:
20代から運用を始めると、時間を味方につけた「複利効果」で資産が大きく増えやすいです。 - リスクとリターンを考える:
若いうちはリスクを取っても取り戻す時間があるため、成長が期待できる株式型の投資信託などを選ぶのも一つの方法です。 - 運用の勉強を始める:
運用に関する基本的な知識を学ぶことで、自分に合った選択ができるようになります。例えば、分散投資やリスク管理の考え方を知ることが重要です。
iDeCo(イデコ)と企業型確定拠出年金(企業型DC)の併用について
iDeCo(イデコ)と企業型確定拠出年金(企業型DC)の併用は可能か?
iDeCoと企業型DCは、どちらも自分で運用して資産を形成する「確定拠出年金」制度であり、2022年10月以降、併用の条件が大幅に緩和され、併用がしやすくなりました。ただし、企業型DCで「マッチング拠出」を利用している場合は、iDeCoとの併用はできません。
今更聞けないiDeCoとは
- 概要: 私的年金制度の一つで、自分で掛金を拠出・運用し、税制優遇を受けながら資産を形成する。
- 掛金: 最低5,000円から。上限額は被保険者区分や企業年金の有無によって異なる。
- メリット:
- 運用商品や金融機関を自分で選べる。
- 掛金、運用益、受取時に税制優遇あり。
- デメリット:
- 口座管理手数料が自己負担。
- 転職・退職時に手続きが必要。
iDeCo(イデコ)と企業型確定拠出年金(企業型DC)の併用の掛金上限について
iDeCoと企業型DCを併用する場合、掛金の上限は以下の通りです(2024年12月以降も適用)。
加入区分 | 企業型DC上限(月額) | iDeCo上限(月額) |
---|---|---|
企業年金なし | – | 23,000円 |
企業型DCのみに加入 | 55,000円 | 20,000円 |
企業型DCと確定給付企業年金(DB)に加入 | 55,000円-他制度掛金相当額 | 上限20,000円 |
確定給付企業年金(DB)のみに加入 | – | 12,000円 |
iDeCo(イデコ)と企業型確定拠出年金(企業型DC)の併用のメリット
- 運用商品の選択肢が増える
- iDeCoでは自分で金融機関や商品を選べるため、企業型DCで運用したい商品が見つからない場合に有利。
- 拠出可能枠の有効活用
- 企業型DCの事業主掛金が上限に達していない場合でも、iDeCoを併用することで上限枠を使い切れる。
iDeCo(イデコ)と企業型確定拠出年金(企業型DC)の併用のデメリット
- マッチング拠出との併用不可
- 企業型DCでマッチング拠出を利用している場合、iDeCoは利用できない。
- 転職・退職時の手続き
- 転職時には企業型DCの移管手続きが必要。移管を怠ると自動移管となり、手数料負担や運用停止のリスクがある。
- iDeCoの手数料負担
- iDeCoは口座管理手数料を自己負担する必要がある。
企業型確定拠出年金(企業型DC)制度と将来のためのアドバイス
積極的に制度を活用:
企業型DCは、企業が提供してくれる貴重な資産形成の機会です。制度内容をしっかり理解し、最大限に活用するべきだといえます。
自分の目標を明確にして将来どのくらいの資産を作りたいのかを考え、それに合った運用方針を決めることが大切です。
iDeCoと企業型DCの併用も検討するなど、選択肢の広がりや拠出可能枠の活用など、多くのメリットがあります。
一方で、マッチング拠出利用時の制限や手続きの手間、手数料負担といったデメリットも存在します。
併用を検討する際は、自身の資産形成目標や運用したい商品を考慮し、最適な方法を選びましょう。
参考図書
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