投資家にニトリが人気な理由、信用は社長の経営戦略

投資家にニトリが人気な理由、信用は社長の経営戦略

投資家にニトリが人気な理由、信用は社長の経営戦略

私たちが知る家具・日用品店として、ニトリやイケアの存在は大きいと思います。

さらに家具だけでなくホームセンターしてはカインズホームやコーナンなどもあり、ハイエンドな価格帯のデザイナーズ家具を扱う大塚家具などがあり非常に密集した『レッドオーシャン市場』だと言えます。

それにも関わらず、外資の圧力などにも負けず、2022年に35期連続増収益を達成したのがニトリです。

では、なぜにニトリが人気であり成功し、成長性を確保し続けることができるのか。

ニトリの優位性など気づいた投資家はどのような判断をし、自己資産を増やす投資材料とするかを解説していきます。

投資家が喜ぶニトリHDの成長率

ニトリ ホールディングス(ニトリHD)は35期連続増収という成長率は経済紙などでも多く取り上げられていますが、上場時から比べると100倍以上時価総額を伸ばした企業です。

実は35期連続増収というのは世界のウォルマートと同率の1位であり、世界的にもニトリというブランドは投資家に注目をされています。

そのエビデンスとして、世界の総合商社JPモルガンのJPモルガン・チェース銀行がニトリHDの大株主になっている点も注目する点だと言えます。

それに加え、株式保有の約33%は外国法人だということで、グローバル展開もしているニトリは今後の成長性に期待する投資家も多いということがわかります。

 

出典:ニトリHD 決算説明会資料より

ニトリHDとはどんな企業なのか

元々ニトリは北海道が地盤であり、都心や地方とはまた少し異なった環境でのビジネススタートでした。

実際、ニトリ自体の創業は1967年で1990年代半ばまで北海道での商売に集中し、本州などへの多店舗展開はしてきませんでした。

現在もニトリの本社は北海道にあります。

後半にお伝えする、TOBによる島忠の買収も注目されました。

出典:ニトリHD 決算説明会資料より

ニトリHD会長の似鳥昭雄 氏の経営戦略に信用と担保

ニトリへ投資する投資家や資産家の多くはニトリHD会長の似鳥昭雄を尊敬し、信用している人が多いです

日本は米国よりも10年以上遅れている、そんな発言とともに、ニトリは『よそより強いものがなければ』という当然ながらも真っ当な意見であり、非常にわかりやすいことでニトリHD会長の似鳥昭雄氏という大きな信用と担保を抱えている企業だと言えます。

ニトリHD会長の似鳥昭雄 氏は経済の予想に長けている

ニトリHD会長の似鳥昭雄 氏は投資の世界でも日経平均株価の予想を当て、経済の動きを先見する才能やセンスを持っていると言われています。

東京オリンピックが開催される前には景気の落ち込みをインタビューでも予想し、厳しい情勢は続くと発言していました。

今からお伝えする為替での不利益性にも似鳥昭雄 氏は、いち早く気づきリスクヘッジをした結果、この複雑な社会情勢でも35期連続増収益を達成したと考える投資家が多いです。

『製造物流IT小売業』という独自性を築く『ニトリ』

投資家がニトリHDを買う理由

日本企業の多くがITや物理的なモノの移動に伴う流通という点でコストや管理・維持費・DX(デジタルトランスフォーメーション)化に悩みを抱えています。

▷▷▷DX関連銘柄は儲かるのか?なぜDX化が投資家の評価点なのか

その点、ニトリは小売業の中でもいち早くITに力を注ぎました。

ニトリは競合のIKEAより実は13年も早くECサイトによる販売に着手しています。

この13年のキャリアの違いは大きいと評価されています。

今では、DX化という言葉が散見されますが、ニトリはアメリカの『Amazon』や海外の家具販売会社がECによる販売に注力していることに着目し、ニトリもIT化などを積極的に行なっていました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

デジタルへの転換・変換とも訳すこともできますが、ここでもトランスフォーメーションは『変革・改革』という意味合いと言えます。

聞きなれない言葉ですが、完全に新しいビジネスや事業というわけではなく、既存のスキームやビジネスをデジタル化させていくこと・イノベートさせることに着目されます。

デジタル・ トランスフォーメーション (DX)

=将来のデジタル市場において 勝ち残るための企業変革

DX(デジタルトランスフォーメーション)に長けたニトリは中長期でも注目株か

2022年4月にはニトリホールディングスのIT部門の派生として、子会社としてニトリデジタルベースを設立しています。

特にITやDX化に積極的で、IT専任の雇用者のビジョンも投資家にとっては魅力的だと言えます。

DX化やIT化ができない企業の保有している銘柄をどうするか、投資家も悩んでいるため、DX化のビジョンがしっかり見えているニトリは中長期での投資にも投資家が一目置く銘柄だと言えます。

ニトリHDは割安?買い時?

ニトリの特徴である製造物流の過程で、昨今の円安相場に懸念を示した投資家の買い渋りというのも理由として挙げられます。

現在ニトリの商品は海外で90%を生産・製造を行なっています。

エネルギーを日本が輸入するのと同様にドル建てでコストや経費を支払う必要があるため影響を受けていると言えます。

▷▷▷『悪い円安』で投資家もお金持ちも会社員も苦しむ理由

エビデンスとしてはトヨタの円安による恩恵とは逆の、円安になればニトリ自体1円程度円安になると20億多く支払いコストが発生するということもニトリ自体が発表しています。

逆に言えば、それでも35期増収益を出すことができたニトリは、評価されるべき部分だと言えます。

▷▷▷なぜ今トヨタ自動車の株を今買い集めるのか

ニトリHDを投資家が安心銘柄として買う理由

どれだけ融資や負債があっても企業はキャッシュフローさえ乱れなければ、安定した経営ができると投資家は考えています。

前述のトヨタは日本一多い有利子負債を抱えていても、安定株だと言われていることからわかります。

ちなみにニトリの手元資金は直近でも約1300億円あります。

それに加え、島忠のTOB、買収による資産の持出し額を考えても年々手元資産は増加傾向にあります。

そのため、ニトリ自体がキャッシュフローへの重要性を理解している企業だということがわかるため、投資家は安心してニトリHDを購入・保有していると言えます。

投資家が気になるニトリの『株主配当』

ニトリが実は18期連続での株主配当の『増配』をしていることも驚きです。

配当利回りは決して『高配当』とは言えない0.99%ですが、株主優待の内容は良いため総配当としてはメリットを感じる投資家も多いはずです。

▷▷▷『高配当ETF』は本当に儲かるのか?

ニトリの株主お買物優待券の発行基準

株主優待券1枚につき、10万円の上限としていますが、1年未満でも上限でギリギリの買い物をすれば、5万円分の割引とも考えることができます。

家具などの単価の高いものや、子供や孫への勉強机やランドセルなどを買う側にはかなり実用的な株主優待だと言えます。(一部、対象外となる商品もあるので注意してください)

 

保有年数保有株式数
(基準日現在)
株主優待券の種類(注2・注3)贈呈枚数
1年未満100株以上1枚につき 10%割引5枚
1年以上①100株以上
(但し、②に該当するものを除く。)
1枚につき 10%割引10枚
②500株以上1枚につき 10%割引15枚

ニトリHDの配当推移

ニトリHD(9843)の過去18期の配当の推移
年間配当額年間配当額
2004/23.1円2013/245円
2005/24.3円2014/250円
2006/25円2015/255円
2007/26.5円2016/265円
2008/211円2017/282円
2009/217円2018/292円
2010/225円2019/297円
2011/232.5円2020/2108円
2012/240円2021/2123円