お金持ちになれない理由をピケティの『r>g』で学ぶ

お金持ちになれない理由をピケティの『r>g』で学ぶ

お金持ちになれない理由をピケティの『r>g』で学ぶ

貧富の格差・経済格差・所得格差と格差に関わる社会問題は結果として、経済の仕組みが不平等だという考えになっていきます。

しかし、そもそも格差はいつ起きたのか?

毎日会社へ行き自分の人生を仕事に捧げても経済的に豊かにならないのはどうしてなのか。

そして、そんなわからないことだらけの世界は誰が作っているのか?

その理由こそが『お金持ちになれない理由』に繋がりピケティの「21世紀の資本」の『r>g』に繋がってきます。

そもそもピケティって誰なのか?

トマ・ピケティThomas Piketty)

フランスの経済学者で2011年秋、「ウォール街を占拠せよ」と若者たちが行った格差についてや不平等に対してデモを行った際にも異議を唱えた一人です。

その後、2013年に出版した700ページを超える大作『21世紀の資本』は2014年から2015年ごろに世界的ベストセラーとなりました。

『経済格差』や『不平等』と言った論争になるとエコノミストは必ずと言って良いほど名前を出す経済学者で、格差研究の第一人者と称されています。

ピケティは「21世紀の資本』をわかりやすく読み解く

「21世紀の資本」の難しさを全て消して要約してみる

一言で言えば、

資本主義の社会は、必然的に『格差』や『不平等』が広がっていきやすい仕組みに元々なっている

=資本を持っている人はお金持ちになれるし、お金持ちで居続けることができる

しかし、

資本主義の格差や不平等に争う生き方はお金持ちがお金持ちで居続ける以上に難しいということ。

=資本が少ない人はお金持ちになりにくい、お金がないままになる可能性の方が高い

ということです。

そこでピケティはある不等式を用いて資本主義において格差が大きくなり続ける理由を表現しました。

ピケティの『r>g』を1分で理解する

r>g』は不等式にするから複雑に見えますが、

簡単に言えば、労働は自分の人生の時間を切り売りすることでお金に変えられるが、そのお金がお金を稼ぐことはないということです。

給料をもらって、給料を1年間置いておいても1年前の給料が2割増しになることはありえません。

▷▷貯金をしている意味はないと言われる理由

しかし、マンションを持っていて、部屋を貸せばそのマンションの値段+家賃収入額となるため永続的に資産というお金がお金を運んでくる循環になります。

つまり、労働以外の働き方や資産運用などの手段を使わないと、基本的には格差は拡大し続けるということです。

ここまで理解できれば、もう少しピケティの『r>g』が大切だということがわかります。

ピケティの『r>g』を2分で深掘りする

この『r>g』は利益率(r)> 成長率 (g)を意味していて、

利益率と成長率は相関していく。という前提で資産があれば利益率が伸び、資産がなければ国や経済の成長率GDPと相関することになる。ということです。

つまり、

この世の中で一番重要なのはどの事柄でも『資本の大きさ』がほとんどの勝負の勝因となるということです。

そのため、ピケティの『r>g』は資本がないなら、どれだけ努力しても『r』側にはなれないとも読み取ることができます。

とても当たり前と言えば当たり前のことなのですが、この理論の面白いところは『r』に捉え方です。

国や経済の成長率と相関する以外の方法を選べば、格差を埋めるチャンスだと言えます。

ピケティの『r>g』を理解できなくても良い人

ピケティが示した不等式から何を読み取り、何を活かせばいいのか、理解できなくても良い人もいます。

それは『r』側の人です。

『r』側は潤沢な資本を使えば、勝率が高いという自分の勝因を研究する材料であり、どのみち勝てている側なので、ピケティの『r>g』を理解する必要はないと言えます。

抗えない資産家の資産成長率

私たちは今、経済的に『不自由を感じている』状態だとして、その問題に対して、

  1. 試行錯誤をしようとするか
  2. そもそも諦めているのか

という心理状態に大きく分けることができます。

では、『r』側の人はどうやって莫大な富を築いたのかという部分も金融リテラシーを高める上で知っておくべきでしょう。

何世代にも渡り相続で資産を増やしていく資産家・富裕層

前述通り、資産家や富裕層は一代でなることは稀で、ほとんどの場合は何世代も前から資産家であり富裕層である場合が多いです。

ピケティも実際「21世紀の資本」内で、「相続が格差を広げている」と説明しています。

つまり、先祖代々築いてきた資産を継承する間に、『r>g』の理論によって資産は増え、新たな世代に引き継がれていく仕組みがあるのです。

特に、今では法律や税金という資産や収入に対しての縛りが厳しくなっていますが、一昔前には税金はなく、マネーロンダリングなども問題視されても取り締まることはされていませんでした。

=お金を稼ぎやすいのではなく『資産を残しやすい』時代があった

=資産家や富裕層になるのは『長期勝負』である

ということがわかります。

▷▷21世紀の資本を読んでみる

ピケティの『r>g』と不動産・土地の組み合わせ

例えば、マンション経営やテナントビル、土地というのは世代を超えて保有することができます。

お金という現物は直接お金を運んできません。

つまり、『収入を相続する』『収益元を継ぐ』ということが不動産であればしやすいと言えます。

さらに不動産は現在でも団体信用生命保険(団信)を理代うしておけば、世代を跨いでの負債や残債は残らないようにすることができます。

極端に言えば、上限ギリギリまで土地などの不動産を融資によって購入すると、自分の人生を終えた時には、負債は資産に変換されると考えられるのです。

それと同時に考えるべきことは、

自分が経済力・資産を持つためでなく、残された家族や子孫が資産家になるように考えられる人間性を自分は持っているかどうかも問われる部分しょう。

ピケティの『r>g』通り資本が大きければ本当に稼げるのか?

これは投資の世界で言えば、100万円を運用する人と1億円運用する人が同じタイミングで一定の銘柄を保有して売却・決済したタイミングが同じであれば、『1億円を運用している人の方が稼げる』という書かずともわかってしまう話です。

簡単にピケティの『r>g』が人生を諦める機会になるかというと一概にそうとは言えません。

『r』側ではなく『g』側にいる場合、労働(給料所得)以外の方法で副収入(複収入化)できれば何もしていない『g』側よりも政府や国の指標に流されずに生きることができるとも考えることができます。

ピケティの『r>g』が議論される理由

r>g』=利益率(仮:rate)> 成長率 (仮:growth)

と考えた場合ピケティは急な経済変動(バブル・天災・恐慌)などがあっても一時的に成長率は下がっても持続することはないという前提で書かれています。

しかし、サブプライムローン問題による金融恐慌時には結果『r』も影響を与えるため、万能な不等式とは言えないということです。

つまり、因果関係のない『r』『g』を不等式にしているため、成立しないと考えるエコノミストも大勢います。

一つ言えることは私たちは少なくとも学者でもなければエコノミストでもありません。

自己資産・人生においての経済力だけの話で言えば、ピケティの『r>g』は資産・資本の重要性を学ばせてくれる不等式だと言えます。▷▷21世紀の資本を読んでみる

ピケティは『r>g』で何を警告したのか

  1. 決められた仕事を決められた場所・決められた時間するだけで裕福にはなれないということ。
  2. 労働依存をする世界や経済の仕組みに身を置き続けては危険だということ。
  3. お金の増える仕組みは努力や労働ではなく『資本』が重要だということ。
  4. 労働力=収入という考えは自転車操業の人生になる可能性が高いということ。
  5. 格差は基本的には埋まらず今も広がり続けているということ。

どれだけ反論や異議を唱えても頷ける部分があるのがピケティの「21世紀の資本」だと言えます。

ピケティは『r>g』で何を伝えたかったのか

ピケティは『r>g』で下記のことを伝えたかったとも考えることができます。

  • 資本が少ない・ない場合に対抗できるのは労働力ではなく知恵を絞ること。
  • お金持ちにはなりにくくとも、格差を広げない術はあるということ
  • 今すぐ格差を広げないための行動に移すべき

お金持ちになれないなりの対策を理由をピケティの『r>g』で学ぶ

労働というのは一つの身体で同時にはいくつもの会社で仕事をすることはできません。

『猫の手も欲しい』という言葉があるように、自分という人間の身体や労働できる量は限られています。

しかし、投資や資産運用は自分が他のことをしている間でもお金をつれてきてくれます。

寝ていても、旅行をしていても同じことが言えます。

つまり、

労働が資産形成や資産を築くのに非効率であるとも考えることができます。

複利効果やレバレッジ効果でピケティの『r>g』を抗う

例えばFXであれば、自己資本の25倍の金額を運用することができます。

▷▷今更聞けない『FX投資』で稼ぐための基礎 知識

それに加えてスワップポイント(金利差による差額金利益)と一つの投資で2つの収益源を確保することができます。

簡単に言えば、FXは25倍速で資産運用をすることも可能だと主張をすることもできます。

複利はウォーレンバフェットの表現で言えばスノーボール方式にどんどんと雪玉を大きくすることができます。

このように複利やレバレッジ効果を意識すれば、ピケティの『r>g』の主張・理論に抗うことができるのです。

ピケティの『r>g』を実は社会は気付き始めている?

給料や正社員が実は不安、フリーランスで格差の戦いの場を変える

フリーランスブームや独立ブームというのは、企業での労働に価値を見出さなくなった層が選んだ道だと言えます。

▷▷『FIRE』からほど遠い日本人のサラリーマンがFIREする方法

終身雇用で年功序列に働いても稼げるお金は限られ、退職金を期待できない。

さらには、企業の経営状態によっては自分のスキルや経験・実力とは無関係に給料や待遇が悪化するという不安因子が常にあります。

逆に、個人は企業の看板なしに商売ができないというわけではなく、『しやすい』だけだと認識すれば、『時間的なゆとり』『精神的な安定』は経済力よりも大きな価値を見出すと考える人が増えているのです。

今の選択肢、生き方を一度疑ってみる

無理だと思うことが『できる時代』になっていることに気づくだけのリテラシーは持つべき

▷▷21世紀の資本を読んでみる

参考図書

流通量が年々減っている資産価値の高い本

21世紀の資本 [ トマ・ピケティ ]

モチベーションや金融の意識が高い方しか、買わないし読みきれない本

現在の流通価格が15000円を越える意味と価値を見出せるかを試してもらいたい本

格差と再分配 20世紀フランスの資本 [ トマ・ピケティ ]

来たれ、新たな社会主義 世界を読む2016-2021 [ トマ・ピケティ ]

 

トマ・ピケティの新・資本論 [ トマ・ピケティ ]

不平等と再分配の経済学 格差縮小に向けた財政政策 [ トマ・ピケティ ]