保険会社と保険代理店の関係性
保険会社と保険代理店の役割というのは他の記事でも書いているので省略しようと思います。
そもそも、保険会社と保険代理店の関係性は主従関係にほぼ違いない関係性だというところからお話しをしていきます。
保険会社より、保険代理店のパワーが強くなることは100%ないように仕組み化されています。
つまりは保険代理店はあくまでも代理店であり、主である保険会社が右と言えば左でも右と言わないといけない立ち位置となります。
損害保険会社の営業マンと保険代理店の営業マン
特に損害保険会社は保険代理店の経営者や営業マンに営業し主力商品を勧めることであり、聞こえはよくありませんが小額の個人保険を社員が引き受けするのは本来仕事とは言いません。
逆に言えば、損害保険は特に、大規模な保険契約は保険代理店ではなく直契約と言い代理店ではなく直接保険会社が契約や設計書を作ることになります。
つまり、大きな金額が動く契約は保険会社が動き、薄利多売の契約を保険代理店が取るという姿が見えてきます。
どちらにしても儲かるのは保険会社
保険会社は保険代理店が契約を獲得しても粗利が発生しますし、保有顧客を増やすことになります。
もっと言えば直接保険会社が契約を取った、高額な案件・契約もほぼそのまま利益となります(分担の有無によって異なる)
さらに、保険代理店は開業させてもコストはほぼかからず、潰れてもかかりません。
もちろん合併させても同じことが言えます。
つまり、保険会社は儲かり、保険代理店は一番大きなリスクを背負うポジションであることは間違いありません。
保険代理店の営業マンが一番損しているのか?
保険代理店の営業マンは一番大きなリスクを背負う保険代理店の元で働くため一番『損』すると思いがちですが、実はそうではありません。
保険代理店の営業マンはエンド(対お客さん)の名顔が一致しており、保険代理店と契約しているというより、営業マンと契約をしているという認識が強いのです。
そのため転職したり、独立する際の底上げ顧客になるため財産として人脈を獲得することができるのです。
保険代理店に付く保険会社の社員は忖度のレベルで評価される
保険会社と保険代理店の関係を一部補足するならば、そもそも保険代理店は契約を多く取っている=価値があるということになります。
そんな大手・規模の大きい代理店は、保険会社の社員の対応も大きく異なります。
たった数件の契約や数万円の予算未達で、廃業勧告をされる小規模代理店とは違い、保険会社も大きい代理店にはより大きい基盤を持って欲しいため、新規の保険会社が抱える案件や廃業した代理店の顧客を紹介するようなこともあります。
逆に小規模で保有契約も少ない代理店には、調子伺いにも行かず、担当者が変わっても半年以上あいさつがないということもあります。
なぜ保険会社は大きな保険代理店を作りたがるのか
保険会社は小さな保険代理店を抱えれば抱えるほど、研修やセミナーの回数や規模感、ガバナンス強化が難しくなります。
それに合わせ、全国的の保有契約数ランキングに自店の代理店を入れ込むことで、保険会社内での評価も変わります。
つまりは代理店ビジネスを『育て上げた』『整理した』という功績になるのです。
保険会社と保険代理店の関係がうまくいかない理由
これは前述通り、保険会社と保険代理店のリスクバランスが圧倒的に偏っているからです。
例えば、保険会社の商品を作り、売る仕組みを作る存在と言われますが、売って万が一不備が見つかって改善をしても保険代理店は口出しできないのです。
不備の改善とは保険会社にとって都合が悪いということで、保険商品上問題がないことが多いです。
保険会社の都合が悪い商品とは?
簡単に言えば、儲からない商品です。
解約返礼率が110%を超えていた時代から今では増えにくい終身保険しかなくなった理由も、ここにあります。
つまりは運用利益が低く、110%の返礼率だと保険会社は儲からなくなったからであり、顧客や保険代理店の問題ではないのです。
損害保険でも台風や地震などの天災や異常気象が続けば、保険料は上がります。
そもそも台風や地震などの天災発生率、事故発生率、保険金支払い率の計算が見誤った、想定を超えたから保険料を上げるのです。
保険代理店からすれば、この保険料の引き上げが理由で解約された場合、保険料に相当した代理店報酬を返金しなければならないのです。
保険代理店からの土日祝日・夕方の問い合わせは電話もメールも無視
少し前までは土日祝日24時間働くのが営業マンだ、と言われていましたが働き方改革を理由に対応力が著しく落ちたのはいうまでもありません。
外線電話はほとんどの場合17時ちょうどに切られ、週末は社用携帯を会社に置いて帰るという制度です。
保険代理店や保険代理店の営業マンからすれば、今すぐ確認したいことが多く発生する曜日・時間帯に完全『無視』をする状況になっているのは現実です。
無視するが要望は急で無理が多いのが保険会社
前述のような働き方改革が進み、平日の休憩含む8時間で仕事を終わらせるため、締め切りギリギリでの急な資料提出や書類の取り付けがあります。
そのため、土日ずっと電話していた件なんだけど?と聞いても、それは少し待ってください、と言い自分の仕事や保険会社の要望をぶつけ、最終的には契約あと○件お願いします。という状況も散見されます。
もちろん、頑張って夜にアポイントを取り顧客と会ってもわからないことがあっても、電話は繋がりません。
関係性がギクシャクするのはもはや当然とも言えます。
コールセンター・ヘルプデスクの導入
契約締結や契約締結のソフトの不具合などを対応する代理店専用のヘルプデスク・コールセンターが保険会社ごとに設置されています。
しかし、電話の呼び出し音のまま10分以上待たされる場合もあり、このヘルプデスクが導入されたから、営業担当者は電話を切れるというのは現場で納得できない部分でしょう。
経費の使い方も雲泥の差
保険会社が使う経費とはいろいろな方法があります。
少額で言えばノベルティのペンやカレンダーの無料支給です。
これも某生命保険会社は大きく売れている代理店には、保険会社から支給、あとはカタログを見て買わないと手に入らない代理店もあります。
さらには、保険会社のゴルフコンペや決起集会はもちろん、タクシーチケット付きで夜の接待まである代理店も多くあります。
代理店会議で昼食が弁当だと一般レベル
保険会社が月に1回ほどの間隔を行う保険代理店との合同会議は、弁当支給がある場合が多いです。
しかし、大手代理店はその支社支店・支部の管理職と別席での昼食会に呼ばれます。
もちろん昼食代は保険会社持ちで、保険代理店の格差は大きいと言えます。
業務や事務職の怠慢・適当さ
保険会社の業務・事務担当は基本的に担当代理店を振り分けしており、売れている代理店ほど電話の取次も早く契約の不備等の説明も早いです。
しかし、「ここの代理店は嫌」とナンバーディスプレーを見て電話に出なかったり、「ちょっとわからないので折り返します」と言って半日以上待たせる事務員は多く在籍します。
損害保険と生命保険のイタイ関係
保険代理店を経営すると見えてくるのは、損害保険会社の対応力と生命保険会社の対応力の差です。
生命保険会社は保険金支払いセンターやコールセンター、引き受けセンターなどの担当社員も当たり外れが少なく、円滑に話が進みます。
それに対して損害保険会社の電話は繋がりにくく、折り返しが遅い、言った言わないのやりとりが非常に多いのを感じます。
これは複数社の乗合代理店をしていても同じことが言えます。
『保険金を支払いやすい・しぶる』のではなく親身かどうかすら大きなレベル差があります。
保険営業マン・セールスが読むべき本【おすすめ一覧】
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