なぜビットコインは大暴落したのか

なぜビットコインは大暴落したのか(米国・中国・期待・環境問題など)

ビットコインと経済指標の相関があまり見られない中、ビットコインが過去にどのような背景で暴落をしてきたのか。

と整理をしてみると以外にも共通点がありました。

例えば、裏付けのない情報でも大きなボラティリティを発生させますし、中国のビットコイン規制は大きく価格を落とす要因になっています。

この共通点を知っておくと、ビットコインがどれくらいの規模で暴落するかというイメージもつきやすくなるはずです。

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ビットコインの大暴落=中国の『仮想通貨・暗号資産』規制

2017年は中国が2013年以来の大きなビットコインや仮想通貨・暗号資産への規制を強化した年でした。

2013年には中国人民銀行がビットコイン関連の取引を取り扱うことを禁止する通知を出し、ビットコイン(BTC)を「特別仮想コモディティ」の位置付けにしました。

この2017年は中国人民銀行は資金調達方法として用いられる『ICO』を禁止し、金融機関や銀行以外の仮想通貨を用いる決済企業も、トークンベースの資金調達活動を目的としたサービスができなくなりました。

このことを踏まえ、ビットコインの価格は約30%下落するという大暴落が発生しました。

仮想通貨・暗号資産のICOとは

仮想通貨・暗号資産のICOとは『Initial Coin Offering』の略で同義語では『クラウドセール』『トークンセール』『トークンオークション』とも呼ばれることがありますがどの意味も、新規暗号資産(仮想通貨)公開のことです。

株式投資など言えば、IPO(Initial Public Offering=新規公開株式)と類義語となります。

リスクは高い投資方法にはなりますが、ハイリターンが狙いやすいことも特徴です。

ICOは金融機関や仮想通貨の取引所はもちろん、国や政府の介入もないため、簡単にいえば投資家は法律で守られないことを認識した上で投資する必要があります。

その代わり、後にもお伝えするイーサリアムなどではこのICOの投資で莫大な投資利益を得た投資家は多くいます。

ビットコインの大暴落=裏付けがない不安要因

2017年にビットコインのトレンドは不安材料が多く出始め、利益確定やリスクオフの姿勢が強くなったことも理由に2018年年始にも暴落がありました。

この時には韓国の規制ニュースの誤報もありましたが、ビットコインの価格が100万円の大台を割り込むかどうかという点でもネガティブな地合いが続きました。

ビットコインの大暴落=過剰な期待

『ビットコイン先物』が2019年9月立ち上がり投資家たちは過剰な期待を持っていたとも言え、その結果ビットコイン自体ボラティリティは高くとも大きな価格上昇がなかったため売り優勢の動きになりました。

さらにここでは100万円というビットコインの大台を割り切るかどうかという点で、方向性を見極めようとしている投資家も多かった点も暴落に拍車がかかったと言えます。

その結果ビットコインは100万円を割り込み、同月末に1BTC=88万円を切り込みました。

ビットコインの大暴落=量子コンピューターへの懸念

2019年10月量子コンピューターが従来型コンピューターよりも高性能であることをGAFAの1つGoogleが発表を行いました。

ここから仮想通貨・暗号資産の『ブロックチェーン VS 量子コンピューター』という懸念が生まれます。

補足:BLISS署名が量子コンピューターに対抗する

量子コンピューターなどにより、ブロックチェーンの利点である改ざんされないことへのリスクが生じた場合に備えて、量子コンピューターでも破れない暗号技術『BLISS署名』をアルトコインであるエイダコインなどは実装しています。

Googleなどがより良いコンピューター技術を開発することで、既存のマイニングにおけるハッシュパワーへの懸念は今後も起こり得ることを知らされたのもこの時でした。

つまりマイニングによって収益を発生させるマイナーたちが減ってしまえば、半減期にも似た状況が起こり得るとも考えられます。

ビットコインの大暴落=中国のビットコインのマイニング規制

2019年4月、中国の国家発展改革委員会はビットコインのマイニングを段階的に停止させビットコインのマイニング自体を行うことが望ましくないと発表しました。

補足:マイニングとは?

ビットコインはPoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。

PoWは、コンピューターの計算能力で取引が承認・マイニングされる仕組みとなっています。

この承認する際に、正しい情報か・悪意性・改ざん等がないかの判断をする計算処理を手伝うことで報酬を受け取る仕組みです。

言い換えると取引記録(=トランザクション)をブロックチェーンにするタスクとも言えます。

このマイニングが行われないと新しくできた取引記録はブロックのままでブロックチェーンとして成立されないため、承認実行ができません。(送金できない)

ビットコインの大暴落=ブラックサーズデー≒新型コロナウイルス

2020年にはあまり経済指標などの影響しないビットコインも、新型コロナウイルスには敵わずアメリカでは『ブラック・サーズデー』とも呼ばれる大暴落が起こりました。

ビットコインはデジタルゴールドとの位置付けと考えられても、金(ゴールド)なども売られたため比較することもできませんでした。

ビットコイン自体へ影響を与える情報リリースがあったのではなく、完全にリスクオフ状態が強く出たことでこの時は全ての投資商品が下がったというほど大きな、大暴落は起こりました。

ビットコインの大暴落=中国とテスラの環境問題

21年は5月に「ビットコインでテスラを購入できるようになった」とイーロン・マスク氏がツイートし、ビットコインは高騰しましたが、結果中止になってしまいました。

中国の仮想通貨・暗号資産の規制と同じ理由で、テスラは電気自動車など環境保全のビジョンに賛同する顧客が多い中仮想通貨・暗号資産のマイニングで大量のCO2が排出されること循環が起こっていることがわかったのです。

仮想通貨・暗号資産のマイニングは大量の電力が必要で、その電力源である中国は化石燃料による発電に依存しているため、電力になる前まで遡ればCO2を大量に排出し環境汚染をしながら通貨価値のあるものを生産していることが浮き彫りになってしまったと言えます。

中国は元々マイニングの機器自体を多く製造しており、ビットコインのマイニングの半分以上は中国でされていました。

そんな中国がついに、規制当局によって暗号資産取引を全面的に禁止しました

参考記事:仮想通貨・暗号資産『ビットコイン』とテスラとイーロン・マスクの関係性