できる営業マンの『クロスセル』商談
商談の質を高めるスキル
他の商品を一緒に購入・契約してもらうことです。
アパレル業界でいうとセット販売などと言われるものです。
クロスセルは一旦商品やサービスの提供を受けたお客さんに、別の商品を重ねて提案する場合もそう呼びます。
具体的にはカーディーラーがカーフィルムやカーコーティングを勧めたり、自社クレジットの勧誘をするのもクロスセルです。
保険業界では商談立案中にクロスセルは始まります。
医療保険の話をしながらがん保険や学資の話を交わらせて(クロス)させて商売していきます。
実際にクロスセルされている日常
執筆している時に『クロスセルされている』と思うのはまさに、アップル社です。
iPhoneが社用携帯になり、全員が私用携帯もiPhoneのため今更、iPhoneから他社へ変えられません。
iPadが必須アイテムとなり、原稿を書く時はmacbookを使用します。
大型モニターも、調べてみるとwindowsでは相互性のないものでした。
さらに購入時にAppleケアを付帯させるのも、クロスセルに繋がります。
なぜクロスセルが顧客満足度を上げるのか
ほとんどの場合、メインで購入するものをよりよくするために+αで提案することが多く、メインの商品をよりよく使えるためのものを提案するため、お客さんも1点購入するよりも満足度が上がるのです。
具体的には上記同様カーディーラーでコーティングの施工をせずに納車すれば新車の傷防止ラッピングの接着がついて埃がつきやすくなったりします。
ディーラーの展示車は営業マン、業務用の水性のワックスでワックスコーティングをしているためあれだけピカピカとツルツルしています。
実際、コーティングせずで黒い車を見ると何か輪郭がボケているような錯覚を感じます。
見た目だけでなく手入れも同じくコーティングすれば簡単になるというお客さんに対しての有益な提案とサービスの提供をすることができるのがクロスセルの特徴です。
クロスセルを根付かせようとする会社
クロスセルは企業のマーケティングや戦略部などが
営業収益を上げるために根付かせようとしている
セールス方法でもあります。
消費する顧客を奪い合うマーケットばかりでブルーオーシャンがないマーケットで顧客をいかに他社に持って行かれないようにするかという部分でクロスセル戦略に営業マンを注力させます。
ここでは顧客満足度という話よりも残念ながら、マーケットの縮小など生き残りをかけて顧客を自社に依存させるために自社製品にどっぷり浸ってもらうという考え正直なところ優先順位が設けられています。
営業マンのクロスセルは客単価を上げる
できる営業マンは1件の商談で粗利が多い
クロスセルはコツを掴めば一人のお客さんに対して2、3人分の売り上げを上げることができる正面突破な営業手法です。
見積もりをイジって粗利を多少増やすのとは訳が違います。
客単(客単価)が上がれば少ない労力で、しっかりと稼ぐことができます。
売れない営業マンほど上顧客が少なく、成約率が圧倒的に低いのが特徴です。
できる営業マンは上顧客を見つけるのではなく『なってもらう』
一流の営業マンは上顧客を見つける営業をするのではなく、
「いつのまにか上顧客になっていた」という
雰囲気に持っていくのが得意です。
具体的にはこれも車の営業マンで言えば、BMWにずっと乗っている顧客はBMWに慣れています。
要するにメルセデスベンツに乗るのは精神的に面倒なのです。
ナビの使い方や、エアコンなどBMWという車に依存しているからこそ、次の車もBMWなのです。
顧客の一人が増車を考えて車を探していると複数のメーカーのカタログを取り寄せてディーラーに行っているとすれば、クロスセルは非常に簡単です。
『日々に車の使い方を含め、一年点検、車検、万が一の車の故障を一括で管理できたほうが安心だ』
この一言に尽きると言えるのです。
免許取り立ての娘さんへのプレゼントにクルマを買うという場合なども、日々出てくるわからないことを家族が教えてあげられるほうが気楽でし家族の会話も増えます。
こうやって豪邸にベンツが3台並んで止まっているという風景を見るのです。
クロスセルで『上顧客化』すれば時を待つのみ
クロスセルには3段階のプロセスがあります。
クロスセルを提案し、購入を決めてもらうこと。
その購入したものに対してクロスセルをさらに仕掛けること。
クロスセルさせて購入してもらった全てにクロスセルをし続けること
この3段階でクロスセルが上顧客と一流の営業マンを育てます。
『クロスセルさせて購入してもらった全てにクロスセルをし続けること』というのは、具体的に乗り換えの提案やクレジットカード、車検点検などをクロスセルさせるということです。
クロスセルができれば『できる営業マン』
商談で効率よく結果を出すには1点販売では不可能
クロスセルは今からのセールスマーケット、営業職・営業マン・販売員にとって必須のテクニックでありスキルだと言えます。
クロスセルのスキルを持っていることで、評価ではなく『結果』が先に一流へと押し上げてくれると言えるでしょう。
できる営業マンは商談で泣かせるスキル
AIにできない商談スキルは『感動』
泣かせるほどの感動を与えられる力がなければAIが導入されれば、営業マンもビジネスマンもたくさん排除されます。
商品や売り物、情報は一流になれば、どれだけ選んでも選びきれないほどの選択肢をもっています。
できる営業マンが今、クビになって一から人生をやり直すとなっても、200%『できる営業マン』のポジションまで戻ってきます。
なぜなら、人の心を動かす方法を知っているからです。
できる営業マン『AI』に負けない人を動かすスキルがあります。
人を感動させるのはロープレでは練習できない
普通の商談じゃ、一流は満足しない。
だからこそ、感動を提供するのです。
営業マンはロープレが下手なままで良い
ロープレは基礎を学べるが、『売れる』かは別問題
営業マンとして売れるために、様々な努力を皆さんはしていると思います。
私には想像できないくらいの苦難を感じ、乗り越えようとしているでしょう。
そんな営業マンとして成功するため、モノを人より売ろうするために勤め先やメーカーなどで研修やセミナーに参加することもあると思います。
そんな研修やセミナーで行われるロールプレイ・トレーニング(=ロープレとします。)は誰しも一度は通る道だと言えます。
このコンテンツを研修に無理やり参加して、コッソリ携帯で逃避行をしている営業マンに向けてお話しようと思います。
できる営業マンはロープレが下手
ロープレが下手と言われたり、評価が低い営業マンは決して落ち込む必要はありません。
ロープレはどれだけ知識やノウハウ・経験を持っていない人でも最低レベル営業トークができるようになるためのトレーニングです。
ハイレベルなビジネススクールでロープレはほとんどしません。(一部企業のみ別とします。)
『ロープレの上手い営業マン』は苦手なこと
アドリブと個別への対応力
ロープレはドラマで言えばセリフや台本があり、筋書き通りにストーリーが展開していくようになっています。
しかし、実際の商談という現場ではロープレでは解決できない『悩み』がたくさん出てきます。
ロープレが上手い営業マンは商談の展開が逆転した場合や、勢いを味方に付けた『賢者タイム』に弱いと言えます。
できる営業マンのアドリブ・対応スキル
できる営業マンはあらゆるニーズに順応するスキルを持つ
営業マンにとって常に人間関係を向上させ、ニーズを読み取り提案をするのが仕事です。
ロープレは100人いれば100人が平均点を出すための商談ストーリーを作っています。
営業マンはある程度の商談をこなしていると、『賢者タイム』と言えるほど自分とマッチしたお客さんやクライアントに当たります。
話がしやすく、聞きやすい。
そして提案がスムーズにできて、ニーズとのマッチングが良い。
要するに、『確実に売れる』と確信を感じる時です。
そんな時にロープレが上手い営業マンほど上乗せ提案が下手な傾向があります。
逆にロープレが苦手な営業マンほど、0からいつもストーリーを自分の経験を活かして作り上げているためドンドンとマッチングしたお客さんを虜にすることができるのです。
それこそが営業マンの転機になる大口顧客であり、太客(フトキャク)と呼ばれるVIP顧客を掴む瞬間です。
なぜロープレが上手い営業マン大口契約が取りにくいのか
できる営業マンが『クロスセル』スキルがあるため
ロープレは基本的に1商談1契約で話を進めることが軸にあり、他種目化と呼ばれる複数口契約に関してのトレーニングは非常に手薄なのです。
一方ロープレが苦手な営業マンほど固定概念が少なく、複数のセット売りや変則的な対応や提案をしやすいスタイルで商談を進めることができます。
そのため、ロープレでは1契約を取っている間に、ロープレが苦手な営業マンは1人のお客さんから2契約をもらい、紹介の案件まで手に入れ握手してお客さんと別れるほどの差が生まれます。
ちなみに、ロープレ通りの営業マンに当たって買うお客さんは、よっぽどその商品が欲しいと思ったからでしょう。
今の日本では自分が興味を示す相手からでなければ、お金を払う価値を見出さなくなっているのです。
アパレル販売員の+1販売スキル
確実に勧めてくるセット販売
アパレルの販売員はセット率2.0以上を目指すようにトレーニングするブランドが多いです。
セット率とは1回の接客、レジに通す値札数は2個以上あることを表します。
2名のお客さんに3点の商品を売ればセット率は1.5となります。
パンツを接客すれば、ベルトや靴を提案し、「イメージしやすいですよ」と上着を着せてトータル提案をする。
更にはクロージング時に、フレグランスを勧めるラグジュアリーブランドも多くあります。
営業マンは販売員よりもお客さんやクライアントとの関係性が求められる中で、セット率を考えて営業をすることは少ないと思います。
高い商品を売るだけでなく、数で売り上げを底上げするテクニックが服を買うだけで経験することができます。
ロープレはいらないのか?プルデンシャル生命を習えば変わる
ロープレの質が問題
このコンテンツを読むと、ロープレや研修など頭だけを膨らませ結果を出しにくくするだけじゃないか、と思うかもしれませんがそうでないロープレもあります。
一流の営業マンがコーチになればロープレの価値は上がる
過去のコンテンツでご紹介しているので省略しますが、ロープレのストーリーを大して売り上げを上げてこなかった人材が作れば、大して売れない営業マンを量産することになります。
逆に一流の営業マンが作り上げるロープレには無限の価値があります。
外資系生命保険会社、プルデンシャル生命のロープレの話も過去にしていますが、プルデンシャル生命やジブラルタ、ソニー生命などのトレーニングではロープレとは言えないほど緻密な商談を丸々暗記し、暗唱できるまでトレーニングを続けます。
そして、契約の取れる人材を育てています。
では、無駄なロープレをさせている会社と、
一流を育てるロープレの差はなんでしょうか。
それは、このロープレというストーリーを完結させるだけの余白があるロープレであり、現場の商談で脱線した話をもとに戻すだけに心理的な話術を含ませている一流のストーリーだからです。
プルデンシャル生命の社員曰く、入社してしばらく受けるトレーニングは揺るぎない営業ノウハウで、今でもそのストーリーはブレないから『成功の法則』を自分は感じているというのです。
それだけの教育を受けられる環境であれば、ロープレには価値あり、新卒2年目くらいの社員や天下りで関係会社から飛んできたトレーナーでは、レベルも温度も感度も違うと言えるのです。