営業マンのクロージング『 応酬話法』

営業マンのクロージング『 応酬話法』

クロージング 応酬話法とは?

営業マンの商談の中に『応酬話法』というノウハウがあります。

私自身は応酬話法という言葉があまり好きではないのですが、一つのスクリプト(台本)として知識を持っていると便利なのでお伝えします、

しかし、クロージングで応酬話法を利用する際のデメリットや、信じてはいけない応酬話法をお教えします

応酬話法とクロージング

応酬話法とは商談相手の質問や会話の反応に応じてオセロの定石のように、予め切り返し、返答を準備しておく会話術・話法のことです。

保険業界などはトークスクリプトとして、クロージングの応酬話法などをロープレでトレーニングを一週間、新入社員ならば1ヶ月ほど研修させられるものです。



営業マンのクロージング 応酬話法の存在

応酬話法のデメリット

クロージングの応酬話法というのは、大手の研修などで必ずと言っていいほど出てきます。

しかし、応酬話法が準備されている研修を受けて、なぜこんなに売れない、できない営業マンがたくさんいるのでしょうか。

ここが、応酬話法のデメリットだと思っています。

誰でも知っている応酬話法は誰にでも聞こえは良いが、誰の心の奥にまで浸透するパワーがなくなる内容。

ということです。

クロージングの応酬話法に頼らない

できる営業マンは応酬話法に頼りすぎない

応酬話法は売れない営業マンのための台本だと思ってください。

特にクロージングに関しては、応酬話法で最初から商談が組み立つことなどありえません。

さらに言えば、応酬話法を下手に使えば使わないよりも印象が悪くなります。

代表的な『YES・BUT話法』でクロージング

クロージングに『YES・BUT話法』を取り入れて印象を格段に下げてしまいます。

簡単に言えば、売りたい側のトレーナーは引き下がるな、頷いて切り返せという『YES・BUT話法』を推奨するのでしょうが、商談で使うにはリスクが高すぎるのです。



できる営業マンの応酬話法

断られることは想定内で応酬話法を組み立てる

断り文句というのは営業マンでは、耳にタコができるほど聞いていると思います。

その中でもよりすぐった、50%の人が使う営業マンへの断り文句です。

今は考えていない(必要ない)

 

知り合いがいる(任せている所がある)

 

お金がない(子供の学費、住宅ローン、減棒など)

なぜクロージングがうまくいかないか

これは、非常に簡単です。

『嫌われたくない』

『嫌な顔をされたくない』

『断られたくない』

仕事なので、こればかりは割り切りも必要です。



大手損害保険会社のスクリプト『YES・BUT話法』

「確かおっしゃる通りですね、しかし…」

「そうだと思います、でも…」

この応酬話法は実際に、大手損害保険会社のスクリプトの『YES・BUT話法』の部分だけを抜粋してみました。

『口答え』と『でしゃばり』でしかない『YES・BUT話法』

応酬話法をしていると知らない商談相手が、『YES・BUT話法』を使ってクロージングされると

「それだけ良いなら私に売り込まずに欲しい人を探せ」

 

「『しかし』だと?営業マンごときに「しかし」何がわかるんだ」

 

「『でも』何なんだね?」

 

「余計なお世話だ」

と言われるのが目に見えていませんか?

都合の良い成功事例ばかりを挙げているのが応酬話法の注意しなければならない部分です。

そもそも、話に困って無理やり口を開くとロクなことがありません。

できる営業マンのクロージング

営業の世界にはクロージングでうまくいかない『都合の良い営業マン』とクロージングが抜群にうまい『腕の良い営業マン』がいます。

簡単に言えば、クロージングのうまくいない営業マンは、タイミングも悪ければ、クロージングに恐怖を感じるような緊張感を持っている営業マンもいます。

一方、『腕の良い営業マン』は『買うか買わないか、待つか』という3択をゴールに商談をしています。

なので、お金の話も含めて非常にストレートに話します。

できない営業マンのクロージングがうまくいかない理由

都合が良い営業マンでは売れない

クロージングがうまくいない理由は、相手が『欲しい』と思った瞬間にクロージングに入れない、相手の言動や行動で購買意欲が最大に高まった瞬間を見抜けていない営業マンです。

そして、『断られたら見込みのお客さんがいなくなる』なんていうことや、嫌われたくないと思っている営業マンほどお客さんから嫌われはせずとも、愛されも好まれもしない営業マンにしかなれないのです。



クロージングがうまい営業マンのテクニック

クロージングがうまくいかない人の真逆のマインドを持って商談をしています。

『営業マンが万人に好かれるわけがない』

そう思いながら日々を過ごしています。

そんな気持ちいいほど割り切れている営業マンには、ファンという顧客がつきます。

『断られる可能性』を極限まで減らして購買意欲最高潮に達した時に契約書を持っていける営業マンがクロージングを得意としています。

できる営業マンは応酬話法で距離感を縮める

クロージングを仮決めしていく

例えば・・・話法

 

ぶっちゃけ話法

 

ちなみに話法

この部分で『でも』『しかし』のイエスバット法は使いません。

今に世の中で『でも』『だって』『しかし』は嫌われる言葉です。

ありがちワンマン社長と専務のやりとり

 

社長:今日から働き方改革をする!全員17時退社!社長命令!

 

専務:しかし、社長!!!

 

社長:やかましい!口答えするのか!

この例を聞いたことがある方は、私のセミナーに参加している意識の高い人でしょう。

この例文は本当に、シンプルですが、『ダメ社長』というイメージが強くワンマンでハラスメントだ!という意見が多く出るのですが、実際、この場合は専務が問題ありです。



できるリーダーと応酬話法

社長:今日から働き方改革をする!全員17時退社!社長命令!

 

リーダー:社員通達をするのに必要なご意見を伺いたく思います。

 

社長:ほう、なんだね?

 

リーダー:いきなりのスタートとなると、イレギュラーへの想定が難しいので『例えば』不測の事態が起こった場合社長ではなく、こちらで処理よろしいでしょうか。

 

社長:ほうほう、気が利くね

 

リーダー:恐縮です。『ちなみに』、少しラフな言葉選びとなりますが『ぶっちゃけ』ですが、(日本語としてはおかしい)今日からという意味はあるのですか?

 

社長:ないぞ!思い立ったら即行動だ!あっはっは・・・

 

リーダー:『例えば』、今週中に私がガイドラインをまとめて、週明けからスタートする方がキリはいいのではないでしょうか?

 

社長:ほう・・・。それなら君に任せよう!

なんだよ、スクリプト好きじゃないか!

と言われそうですが、ここでは、内容ではなく応酬話法に使う『リード(きっかけ)』を作り、小さなYESを積み重ねているのに、気づきましたか?

例話はクッションが強く、質問とまでいかないのでラフな返答をもらいやすい傾向にあります。

『ぶっちゃけ』はビジネスシーンではありえない言葉ですが、だからこそ、心底の気持ちをぶつけているということをアピールすることができる、ワードです。

「ぶっちゃけ」から始まる応酬話法

仮の話なら皆話をする

「ぶっちゃけてもいいですか?」と聞けば間違いなく真剣に聞かれてしまいます。

省略した言い方をするほうが『人間味』を感じます。

時には、本心をぶつけている『ような』表現も有効だといえます。



応酬話法が上手に使えるコツ

応酬話法を上手に使えるようになるコツは、『なりきる』ことです。

スクリプト系の応酬話法の評判が良くないのは、どこかで聞いたことがあるような言い回しばかりするからです。

応酬話法をベースに常に、変化しアップデートをさせ続けなければなりません。

アップデートをすることで、自分自身の強みを入れ込んだ応酬話法を生み出すことができます。

しかし、重ねて言いますが、応酬話法は依存性が高く、結果が出ると、『契約生産機』のようにサクサクと契約が取れるようになります。

そのかわり、その応酬話法と自分のレベルが合わなくなったときや、スランプでは相当な『欧州話法迷路』にハマることになるので注意が必要です。

上手に自分だけの強み、営業スタンスの整理に応酬話法の活用もしてみてください。

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