稼げる投資に銀投資が候補に挙がる理由
『現物投資=金』日本ではCMでもキャッチーに促され、金という投資は長期的には安定的に儲かる。
しかし、長期的に持つことが条件となるため、資金の余剰やポートフォリオの兼ね合いで投資家は一定層に限られているという固定概念があるはずです。
金やプラチナ、パラジウムなどの金属よりも圧倒的に『時代に追いつけていない銀』は今こそ実は仕込み時なのかもしれない。
というリテラシーを今回は解説していこうと思います。
*この記事は外部サイトFinance Lite Tokyoの『確実にCFD取引で稼ぐならまずゴールド(金)を買うべき』の執筆者が寄稿しています。
銀(シルバー)=アクセサリーではない
銀という金属は元々はフィルムカメラ時代には需要が高く、年間に7000t以上の需要がありました。
ご存じの通り、デジカメ・スマホの性能の向上とともに、フィルムカメラの需要はごく一部となり、今私たちがシルバー(銀)と言えば、アクセサリーを思い浮かべ、宝飾品での活用が多いと思っている方も多いと思います。
しかし、実はアクセサリーなどの宝飾品として使われる率は約20%で、地金・プルーフコイン・銀食器類を入れても40%程度です。
銀は、電子部品や配線、太陽電池などに使われ、産業素材としての方が多く使われています。
銀への投資は今がチャンスなのか
グリーンテクノロジーとグリーンエネルギーが経済を牛耳る
太陽電池などの生産に銀が必要だとすれば、太陽電池は再生エネルギー関連なので、確実に継続するトレンドだと言えます。
カーボンニュートラルなどのSDGsやESGに移行しなければならない企業からすると産業素材で必須になれば、高騰しても購入するしかありません。
▷▷▷ESG投資とは?方法やSDGsとの関係性、儲かる仕組みはあるのか?
金と同じく銀も埋蔵量は限られる
金(ゴールド)は現時点で採掘量が約15万tほどで、採掘が今後できると予想されている量は約6~7万tと言われています。競技用プールで約1杯分しかないありません。
それに比べ銀はその約3倍の量である22万tが資源としてあり、現時点で採掘可能なのはその半分ほどの11万tがあります。
ここでお気づきでしょうか。
銀にも埋蔵量にリミットがあるということです。
銀の方が金よりも単価が低いため、採掘するコストに見合わないものは採掘をすることは難しいと言えます。
つまり、銀の量は以外にも金よりもそこまで莫大でないということです。
それにも関わらず金と銀のグラム単価には80倍の差があります。
銀の値段はあくまでも実経済ベースでの需要であるため、資源量=手に入る量とは言えないという裏の面もあります。
もちろん、現在は金の5倍以上の量が採掘され、年間で言えば、8倍ほど採掘量が銀の方が多いという現実もありますが、それにしても銀は割安と考えることができます。
金が逆に銀より既に劣っている
銀投資へのシグナルを感じ取った投資家
『金は高く・銀は安い』どんな検索の仕方をしても今の常識はこの通りでしょう。
しかし、既に2001年からの10年間で金は6.36倍に値上がりしていますが、銀はそれよりも高く9.04倍も高騰しているのです。
過去にはこのような金と銀の値上がり率が逆転している例も多くあります。
銀は実は儲かる。
金融リテラシーを持って情報をしっかり理解しないと、銀が金より投資では儲かるということを読み取ることができないとも言えます。
ちなみに、著名な投資家はこの記事を書くよりも前から銀の需要拡大が起こると示唆しており、現物や先物でも買付を開始しているのも事実です。
投資家ジム・ロジャーズも注目の銀投資
ジム・ロジャーズは2021年ごろから金や銀のコモディティに再注目しており、銀は過去の最高値まで戻る可能性を感じていると言っています。
特に金は既に価値が高騰しはじめ、『有事の金』通りに投資家や市場は動くと予想をしているようです。
しかし、銀はまだ割安であることから、下落局面は買いシグナルとして見ているようです。
ちなみに、銀は後述する特性のあるコモディティだと言えます。
そのため銀の価値が3倍以上に過去も短期間で高騰した経緯を知っていると投資のチャンスは多いにあると言えます。
補足:『有事の金』とは
『有事の金』というのは昔から言い続けられており、地政学的リスクや経済的混乱・景気後退・恐慌の際に金(ゴールド)の人気が高まり、価格が上昇する傾向にあります。
そのため、金(ゴールド)は万が一のときに資産が目減りするリスクを抑える役割があるとされています。
銀投資が稼げる理由と運用の方法
銀の投資では、ETFや投資信託で投資する方法や、CFD、先物、現物取引など様々な方法があります。
もちろん、銀に限らず金もプラチナも同じように金融商品で投資や運用を行うことは可能です。
しかし、金と銀だけで比較するならば、投資の性質や特性は真逆です。
金よりも圧倒的に稼げる可能性が高いと言えます。
理由としては、景気・経済の影響を前述通り受けるため、景気が回復する時やポジティブなサプライズで連れ高する可能性が高いと言えます。
さらに、金よりも圧倒的に市場での取引量が少ないため、ボラティリティが大きいため、ハイリスク・ハイリターンの運用ができるためです。
稼げる銀投資は『魔の金融商品』とも言われる
このハイリスク・ハイリターンのコモディティ商品はボラティリティが高く機関投資家・ヘッジファンドでは『魔の金融商品』とまでいわれます。
しかし、大きな値動きがある金融商品というのは限られていて、さらにコモディティで、実需が明確かつわかりやすいと言う部分を、私たちは見逃していたとも言えます。
銀投資をETFで行うなら
「iシェアーズシルバートラスト」(SLV)
シェアーズ シルバー・トラストは、銀への投資を目的としたETFで、銀の現物投資を行っています。
具体的には受託銀行が介入し保有管理をしています。
この管理運営費を控除した値が、ETFの価格として反映されます。
出典元:BlackRock
実はすごく安心な現物『銀投資』
銀は金と異なり、価格が金の80分の1です。
つまり、金はプルーフコインや1kgの延べ棒で管理すれば一つ盗まれるだけで800万円近い損害が出ます。
子供でも女性でも持ち歩けるくらいのバッグに1億円が入ってしまうのです。
逆に言えば、ある程度大量に銀を現物保有していても、1回に持ち出せる量は知れているので、損害額が小さいというすごく物理的な安心感を得ることができます。
ちなみに、1億円分の銀を保有するには1t近い量が必要となります。
銀投資の仕組み=ドル建てに注意
銀投資で注意するべきなのは、最も銀の取引はドル建てでのと取引が多いということです。
しかし、日本で保有した銀を売却するには、当然円建てで市場価格は決まっています。
つまり自国通貨の円と銀というのは第一段階で関与しているということです。
計算式としては、
円建てでの銀の販売価格=
ドル建て×米ドル円の為替で出た数字をトロイオンスからグラムへ変換
ここでもっとも重要なことはFXでいうドル円と銀の価格は密接に関係しているということです。
「円高」トレンド=ドル建ての銀の価格が上昇≠円建ての銀価格上昇
「円安」トレンド=ドル建ての銀の価格が下落≠円建ての銀価格下落
次に銀の大高騰・バブルが起こるのはいつか
では、銀の価格高騰をどれぐらいの期間で狙って保有していくべきか計画を立てるプロセスが必要になってきます。
この点で言えば、銀の需要が製造に向いているという部分を考慮すると、近年の地政学リスクや感染症等の要因による景気の本格的な回復・産業自体の再帰点と関係してくると言えます。
一方、金はそもそものグラム単価も高く調達することに制限が出る可能性があるため長期永続的な産業ではなるべく避けたい資材だとも考えることができます。
銀の価値は歴史的割安なことを感じられる『銀行』の存在
最後に、価値が金の方が銀より高いというならば、銀行はなぜ『銀』なのか。という部分です。
もちろん、様々な説はありますが、私たちの日常では歴史的に見ても銀主体であることがわかります。
銀は元々は金より価値が高いものでした。
ちなみに今でも先物市場で銀が金を上回るシーンはあり、私たちが知らないだけで『銀が儲からない』とは言えない事象は多くあります。
実際は金よりも採掘にはコストがかかっていたのは事実で、埋蔵量により希少性が優位になり金の方が高くなっているというだけだとも考えることができるのです。
仮にも、金が私たちの生活に銀よりも欠かせないものだとすれば、『金行』となっているべきだったでしょう。