『集中投資』が分散投資より向いている人が多い理由

『集中投資』が分散投資より向いている人が多い理由

『集中投資』が分散投資より向いている人が多い理由

私も含め投資に対してのスタンスというのは基本的に『分散』させることが重要だと解説することは多いです。

分散投資に向く方もいれば、集中投資に向かない方もいます。

集中投資に向いていて、分散投資は向かない方もいます。

今回はそもそも、なぜ分散投資をするべきなのか、そしてその分散投資による代償、投資として稼ぐにはどのようなスタイルが効果的なのか。までお話ししてみます。

「ひとつのカゴに卵を盛るな」は本当に正しい投資なのか

分散投資が重要だと言われる基礎知識

「ひとつのカゴに卵を盛るな」という名言は投資の世界での教訓として、多くのテキストに書かれています。

卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまう。

いくつかのカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としても割れる卵の数は限定的にすることができる。

という、集中投資をすれば、一つの相場変動で一気に資産を減らしてしまう。という教えです。

具体的な投資の分散方法

投資はする上で、分散投資をさせる視点の広さというのは人それぞれです。

FXだけでなく株式投資や暗号資産を同時に行うというのも一般的なリスク分散です。

例えば、FXに強い投資家ならば、ドル円やユーロドルなど通貨ペアを分けるというのも一つの分散投資だと言えます。

投資の分散方法はリスクに対して本当に効果があるのか?

分散投資はあくまでもリスク回避に対しては有効だと言えますが、複数の投資を行えば投資や運用の回数に応じて相場と逆行したエントリーをする確率(=損する確率)も必然的に上がります。

1回のエントリーや投資では、自分の思い通りの相場になる確率は約50%です。

確率論でいうと投資や運用の回数を増やせば増やすほど予想と逆方向に進む確率が上がってきます。

これは保険金の支払いなどを計算する際に、保険会社が用いる考え方で『大数の法則』という統計学や確率論があります。

大数の法則とは?

コインの裏表で表の確率は50%ですが、次も表で次も表という確率は最終的に90%以上の確率で裏になる状態が生まれます。

これを例えば1000回コインを投げ続けると、表と裏の出る確率は50%に戻ってくるという理論です。

つまり回数を重ねると勝率は上がりますが、連続して思い通りになる確率は理論上は不可能だということです。

分散投資がリスクを高める結果になる

分散投資は大損はしにくい

ここでも確率論で言えば、5回の投資を行い、全てが予想通りにおく確率は5%以下です。

逆に1回の投資では約50%の確率で自分の思い通りの相場になります。

そう考えると本当に、

『分散投資が効果的な運用方法なのか?』

と考えるべきでしょう。

投資の分散方法は収益性を落とす

分散投資は、結果としてリスクが高い投資商品と安定的な運用商品に振り分けを同時に行うことが多いです。

例えば、暗号資産のようなボラティリティが高い投資には、現物の金や安定的なETFなどでリスクを分散させるポートフォリオを形成です。

一見リスクの脅威ごとに分けていくと『損』はしにくそうです。

しかし、投資は損しないためではなく『利益』を出すためにするものです。

分散すればするほど、資本に対してハイリスク・ハイリターンに充てられる資本が減っていくというが投資の真実だとも言えます。

投資の分散方法で勝率も下がる

前述通り、

分散することによって収益率は落ちる=リターン率が上がりにくい。

ということを前提に確率論のリスクを入れ込むと、分散投資は決して万人に得策とはいえない投資戦略だと言えます。

分散投資の考え方を変えてみる

株価や指数というのは必ず変動があります。

安定的であってもボラティリティが高い金融商品でも、変動のない投資商品はありません。

これを加味して考えると『時間』でリスク分散させると勝率を落としにくく、運用率も下げにくい方向に持って行きやすくなります。

つまり、ゴールドは採掘量に限界量があるため逓増していくという背景があります。

長期的には50%以上勝率がある投資もあります。

このような背景を加味すると勝率が高い商品で短期・中期・長期で上がりやすい投資に資産を振り分けていく方が、安易に投資商品を分けるよりも相対的に資産が増えていくポートフォリオを形成しやすいと言えます。

言い換えれば、FXでドル円ばかりでなくユーロドルに分散していけば、ドル円が上がればユーロドルは特性として下がる確率が上がります。

このような分散をすると必然的に含み損ありきの分散投資になってしまうのです。

このような分散の仕方にならないように、ポートフォリオを構成していくことが重要だと言えます。

非効率な分散投資=含み損ありきの分散投資

実は、分散投資に向かない人が多い理由

資本・資金が少ないと分散投資は向かない

リターン率・収益性を下げる分散投資を少ない資本で行うとどうなるか、というと結果として利益がほぼ出ない状態になります。

もちろん、『損』も少ないですが、『得』もない状態になります。

『損をしないだけマシ』だと思うかもしれませんが、自己資金をリスクに晒す理由は利益を出すためです。

特に、

資本が少ないうちは分散投資ができるように集中投資をしていく方が、賢明な投資戦略

だと言えます。

 

分散投資に向いている人は?

潤沢に資金がある方は投資を始める場合は、分散投資に向いていると言えます。

例えば、資金が多くあれば株式投資であれば高配当株や株主配当などでも一定のリターンをキャピタルゲイン以外の方法で得ることができます。

FXの場合でも、スワップポイントによる収益化ができます。

しかし、潤沢に資金がある方ほど、金融リテラシーが高く、手広くビジネスをする方がリスクは高いなど、自分の培ってきた経験で集中投資をする方が多い傾向にあります。

しっかり準備する投資家ほど集中投資をする

集中投資はハイリスクだからしない、ギャンブル性があるなどと言われることがあります。

しかし、確かな確信のある投資先があるのに、その確信の横のものを買うのは不自然とも言えます。

例えば、

普通、今食べたいものをレストランで注文します。

料理が運ばれてくる間に食べたくなるものと、今食べたいものが異なる可能性があると不自然に仮説を立て、食べたいものを注文しない人はいないはずです。

つまり、プロの投資家は確実だというものに集中してオーダーをするのです。

その方が、シンプルでわかりやすいとも考えることができます。

プロの投資家は、どれだけ子供が好きでも「世話ができないほど子供は作らない」し、犬が好きでも「名前が覚えられないほど犬は飼わない」のと同じように集中投資する傾向があります。

ちなみに、あの世界最強の投資家と呼ばれるウォーレンバフェット氏は以下のことを言っています。

Diversification is a protection against ignorance. It makes very little sense for those who know what they’re doing.

分散投資は無知を保護する手段。投資を理解している人にとって、分散投資は理にかなっていない。

集中投資に向いている人は?

集中投資をするメリットは、利益やリターンの分散されないため、大きく稼ぎやすいと言えます。

そのメリットの背景にあえていうならば、少ない資本で資産運用を始める方は、安易にリスクだけに気を取られて分散するよりも、集中投資する方が銘柄や金融商品に対する深掘りした知識を身につけることもできます。

確実に『利益を取りに行ける相場を待つ』

というのも非常に重要なこと

だと言えます。

では、お金持ちや資産家は集中投資だけなのか、ということも解説していきます。

お金持ちや資産家のポートフォリオは本当に集中投資なのか

分散投資にメリットが少ないと感じる内容のコンテンツになっていますが、お金持ちや資産家は本当に集中投資をしているのか?

という現実的な話をしていきます。

お金持ちや資産家のほとんどは、確かに『集中投資』を行なっています。

集中投資をする中でも、集中のさせ方が、資本が大きいため結果として分散しているという状態になっています。

例えば、資産家が保有する不動産が、不動産収入を元々得ている場合、リスク分散としては、安定的で中長期的に収益が得られるポートフォリオの軸ができています。

つまり、資産が大きいお金持ちは運用先や運用金融商品という一定のカテゴリーで集中投資をしている傾向があります。

例えば、ウォーレンバフェット氏は米国株で絶対に倒産・破産しないと予想できる銘柄に投資しています。

集中させるカテゴリーは資産の大きさや自身の運用ルールによって異なり、決して複数の金融商品に分散させたいから銘柄を選ぶということではありません

『分散投資が悪』なのではなく、絞り込んだカテゴリーの上で自分が求める条件の企業や相場が生まれた時に他の企業にも投資をしている

というのが実情だと言えます。

分散投資の考え方

集中投資なのに、分散投資になる投資商品

例えば、『iFreeNEXT FANG+インデックス』という投資信託に集中投資をするとFANG MANTを中心とした米国株への分散投資をしていることになります。

FANG MANTに含まれる企業

  • フェイスブック (FB)
  • アマゾン・ドット・コム (AMZN)
  • ネットフリックス (NFLX)
  • グーグル(アルファベット) (GOOGL)
  • マイクロソフト(MSFT)
  • アップル (AAPL)
  • ヌビディア (NVDA) 
  • テスラ (TSLA)

▷▷GAFAの知っているようで知らない話

『iFreeNEXT FANG+インデックス』の約68.7%はFANG MANTによるポートフォリオになっています。

米国株は1株から保有できますが、資金は多く必要になります。

投資信託なら100円単位で購入できるため、自己資金に合わせやすいこともメリットとして言えるでしょう。

日本人は分散投資が好きだが、実は『集中投資』を続けている

日本人はリスクを恐れ金融商品を購入したり、資産運用・投資を避ける傾向が強くあります。

日本人の77.3%は日本円で現金を持ち・貯金や預金を行なっています。

つまり、日本人は日本円に対して集中投資をしているとも考えることができるのです。

日本円を持ち続けることで金利が高く老後も苦労せず、生き続けることができる時代ならそれでも構いませんが、今は時代が変わりました。

『日本円』が高騰する理由・エビデンスを見つけているならば別として、日本円に集中投資をするリスクは一つの銘柄へ集中投資するリスクよりも高いと考えるべきだと言えますし、理由やエビデンスなくただ円を持つのはギャンブルとも言えるでしょう。