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クルマの残価設定ローンの秘密:得する人・損する人
車を購入する際に月々の支払いを抑えられる方法として注目される残価設定ローン。しかし、果たしてこの仕組みは本当に得なのでしょうか?ここでは、銀行のマイカーローンとの違いや、残価設定ローンのメリット・デメリットを詳しく解説し、どのような人に向いているのかを探ります。
今更聞けない! 残価設定ローンとは?
残価を差し引いてローンを組む仕組み
残価設定ローンは、車の返却時に予想される売却価格(残価)を差し引いた金額でローンを組む方法です。この仕組みにより、月々の支払い額を大幅に抑えることが可能です。
メリット
- 月々の支払い額が安い:車両本体価格全額を借りる必要がないため、初期負担が軽減されます。
- 新車に定期的に乗り換えたい人に最適:契約期間終了後に新車に乗り換える選択肢が得られます。
デメリット
- 総支払額が高くなる可能性:金利が車両全体にかかるため、銀行のマイカーローンより総額が高くなることがあります。
- 所有権の制限:ローン期間中の車の所有権はディーラーや信販会社にあります。
- 走行距離やカスタマイズの制限:契約時に設定された条件を超えると追加費用が発生します。
銀行のマイカーローンとは?
クルマ専用のローン商品
銀行のマイカーローンは、車購入のために銀行が提供するローン商品です。以下の点で残価設定ローンと大きく異なります。
特徴
- 低金利:一般的に金利が低く、総支払額を抑えることが可能です。
- 自由な返済期間:6カ月から最長10年まで選択でき、月々の負担を調整できます。
- 所有権が購入者にある:ローン返済中でも車の所有権は購入者自身にあります。
向いている人
- 長期間同じ車を所有したい人
- 総支払額を抑えたい人
- 車を自由に売却・カスタマイズしたい人
ここが知りたい! 残価設定ローンと銀行のマイカーローンの比較
項目 | 残価設定ローン | 銀行のマイカーローン |
---|---|---|
月々の支払い額 | 安い | 高め |
総支払額 | 高い可能性がある | 抑えられる |
所有権 | ディーラーや信販会社 | 購入者 |
走行距離の制限 | あり | なし |
カスタマイズの自由度 | 制限あり | 自由 |
残価設定ローンで損する人・得する人
得する人
- 毎回新車に乗り換えたい人
- 走行距離が少なく、車をカスタマイズしない人
- 月々の支払いを抑えたい人
損する人
- 長期間同じ車に乗りたい人
- 走行距離が多い人
- 車を自由に売却・改造したい人
銀行のマイカーローンへの借り換え
残価設定ローンから銀行のマイカーローンに借り換えることで、金利や総支払額を抑えることが可能です。以下はその手続きの流れです。
- 情報収集
- 金利や返済条件を比較し、自分に合った銀行を選びます。
- 仮審査の利用
- 仮審査を通じて借入可能額を確認します。
- 必要書類の準備
- 車検証、収入証明書、現在のローン契約書などを揃えます。
- 正式申し込みと融資
- 仮審査通過後に正式申し込みを行い、融資を受けます。
- 繰上げ返済
- 融資金を利用して残価設定ローンを一括返済します。
ディーラーの残価設定ローンの落とし穴:知らないと損するお金とクルマの関係性
車を購入する際、ディーラーが提案する「残価設定ローン」は、月々の支払額を抑えることができる便利な選択肢として注目されています。しかし、このローンには見過ごされがちなリスクや制約が隠されています。
残価設定ローンは車を借りに返却する際、傷や汚れ、走行距離超過などで想定以上の減価が発生していると、修理費用や追加料金を請求されることがあります。
つまり、返却時にキャッシュがなければオーバーローンが再ローンで乗り続けて残債を減らしていく必要があります。
もちろん、初度登録から時間が経てば経つほどクルマの価値は下がるため、金利が重しになってくることがあります。
知らないと損するお金とクルマの走行距離
基本的に自分の走行距離が制限を超えることを考慮せずに契約し、返却時に多額の追加料金を請求される。
あるいは下取りが残債と相殺できず、手出しで現金が必要になります。
一部のディーラーや中古車店はオーバーローンという手段を提案しますが、ディーラーの自社ローンではなくオリコやアプラスなどで契約場合が多いです。
ちなみに、金利施策などが他社ローンになると受けられないため金利が高くなります。
便利そうに見える残価設定ローンですが、以下のようなデメリットが存在します。
- 所有権が自分にない
- 車の所有権はローンを提供する信販会社やディーラーにあります。そのため、車を自由に売却したり、カスタマイズすることが制限される場合があります。
- 走行距離の制限
- 契約時に年間の走行距離制限が設定されることが一般的です。この制限を超えると、追加料金が発生する可能性があります。
- 返却時の追加費用
- 車を返却する際、傷や汚れ、走行距離超過などで想定以上の減価が発生していると、修理費用や追加料金を請求されることがあります。
- 金利が高い
- 月々の支払いが低い代わりに、車両全体の価格に対して金利がかかるため、総支払額が高くなる傾向があります。
- 残価のリスク
- 設定された残価が市場価値より高い場合、返却時に追加の負担が発生します。逆に市場価値が残価を上回った場合でも、その差額を受け取ることはできません。
- 中途解約の難しさ
- ローン期間中に車を手放したい場合、残価を含めた全額の支払いが必要になることがあります。
知らないと大損する残価設定ローン
残価設定ローンで損をしてしまう典型的なケースを以下に挙げます:
- 月々の支払いだけに注目
- 月々の支払額が安いことだけを理由に契約し、総支払額が高くなることに気づかない。
- 走行距離制限を無視
- 自分の走行距離が制限を超えることを考慮せずに契約し、返却時に多額の追加料金を請求される。
- 返却時の条件を確認しない
- 返却時の車両状態に関する条件を十分に理解せず、修理費用を請求される。
- 残価のリスクを軽視
- 市場価値が下落した場合のリスクを理解せず、返却時に予想外の費用が発生する。
残価設定ローンを迷った!『賢い』選択をするためのポイント
- 総支払額を計算する
- 月々の支払額だけでなく、金利や残価を含めた総支払額を事前に確認しましょう。
- 他のローン商品と比較する
- 銀行のマイカーローンや一括購入など、他の選択肢と比較して、自分に最適な方法を選びましょう。
- 契約条件を細かく確認する
- 走行距離制限や返却時の条件を事前に確認し、自分のライフスタイルに合っているかを判断してください。
- 残価設定ローンが適している人を見極める
- 定期的に新車に乗り換えたい人や、短期間で車を利用したい人には向いていますが、長期間車を所有したい人には不向きです。
【まとめ】
クルマの残価設定ローンの秘密:得する人・損する人
残価設定ローンは、月々の支払いを抑えたい人や定期的に新車に乗り換えたい人には便利な仕組みです。しかし、総支払額や制限事項を考慮すると、長期的には銀行のマイカーローンの方が有利な場合が多いです。
どちらを選ぶべきかは、車に対する価値観やライフスタイルによります。車購入の際は、自分のニーズに合ったローンを慎重に選びましょう。