欲はお金があっても絶対無くならない理由
お金が欲しい・カバンが欲しい・靴が欲しい・クルマが欲しい・・・・
どれだけモノが溢れても物欲は消えません。
それと同じように人間の欲はいつか全て満たされるという終わりがないようにできています。
それに気付けないと結果として、お金に振り回されるか我慢の人生の2択を選ぶことになります。
なぜ人はお金を得ると贅沢したくなるのか
そもそも、少しのお金でも得られると使ってしまうのはなぜか。
それは日々お金という存在に頭をいっぱいにしている証拠だと言えます。
ダイエットしていれば、食べ物のことでいっぱいになるのと同じように、気がつけば自分の人生はお金が頭を支配している状態になっています。
しかし、
お金が有り余る・持て余す人は欲がなくなるのかというと実はそうではありません。
確かに世界中の欲しいものを手にできるため、物質的な欲というのは減っていきますが、欲望は途切れることがありません。
たくさんお金があれば、質素で小さい家に住みたいと思うこともありますし、体験したことないこと、高揚することを求めます。
そのため、億万長者が宇宙旅行に行くというのも納得ができます。
お金とドーパミンの関係性
ドーパミンという神経伝達物質は『やる気』『幸福』『集中』『前向き』な気持ちにさせることがわかっています。
そのため考え方を変えれば、
人間が欲を満たしたい理由はドーパミンを出したいからだということになります。
お金をたくさん儲ける・稼ぐというのも結果としては、ドーパミンを分泌させ、アドレナリンという名の肥料を使って加速させ強い高揚感を感じています。
物欲は人間の欲の構成で大きなシェアを持つ、安全欲求や承認欲求・自己実現欲などが重複されているため、なぜ欲しいのかを明確に人へ伝えるのが難しい欲です。
だからこそ、どれだけお金を持っていても「欲しいものは欲しい」ですし、子供と同じ感覚のままであることが多いのです。
物欲と『お金』が実は無関係である理由
物欲というのは、どこで満たされているが細かく考えたことはありますか?
- 新しいモノを手にした時をイメージする時
- 欲しいものを買いにいく時
- 実際にお金を払う時
- 買った商品を持ち帰る時
- 買ったモノを身に付けたり眺めたりする時
物欲の始まりが1だとすれば5の終わりまでどれだけの欲を満たされたという快感を感じているのかというと、医学的に見れば買い物に行くことをイメージするだけでドーパミンが出ます。
実際1〜5の買い物のプロセスの中では、『欲しいものを買いにいく時』=欲しいものが手に入るという環境になった瞬間がもっとも欲を満たした時で、手に入ったものを身につける時ではないのです。
ドーパミンは快楽中枢に信号を出し、物欲を満たした状態と同じ状況になることがわかっています。
つまり、人間は物欲というものはなくなりませんが、物欲はモノを買わなくとも満たすことが理論上できるようになっているのです。
しかし、人間はこの快楽や高揚感をずっと味わいたいという、『欲』とこの快楽や高揚感を失いたくないという『欲』を生み出します。
その結果、お会計をする時、買い物の帰り道にはもう他のモノが欲しいと思ってしまうのです。
物欲や欲深いのは悪いことではない
ここで一つ言えるのは物欲や欲が湧き出ること、途切れないのは悪いことではないということです。
むしろ、散財したりお金が貯まらない人は我慢をし過ぎているだけなのです。
物理的に買わないという我慢しか方法を知らなければ、我慢という方法でしか欲を抑えることはできません。
人間の欲は生きる原動力であるのは、事実です。
食欲という美味しいもの、空腹を満たさないと身体は栄養不足になりますし、人間は寝ないと起きている時の情報を整理する時間が与えられないので、『理解』が遅れることにつながります。
そして、何よりも性欲がないと子孫が残らないのです。
この今の三大欲求は人間のガイドラインとして導くためのものとも言えるのです。
逆に言えば、この三大欲求の何かが欠けるというのは生命を維持させるのに、非常に危機的状況なのです。
むしろ、人間はたくさんの『欲』を感じる機能が備わっているからこそ、生きていけていると理解できます。
欲との向かい方を知らないから貧乏でありお金が貯まらない
我慢を知り、我慢をし続け目標達成させることで経済的な力やお金・資産は得られるのか。
というと全く別問題だと言えます。
前述の例え話で言えば永遠とダイエットし続けるのと同じで、
『満たすことが悪』と置き換わるから幸福や幸せ・高揚感に罪悪感を感じてしまうようになるのです。
つまり、資産を築ける人や経済的に余裕のある人は、むしろ我慢ではなく欲を満たしている傾向が強いと言えるのです。
物欲で心を満たすのは雑
ただドーパミンを出して幸福感や高揚感を感じるためだけにお金を浪費し、支出を止められないのは雑な考え方だと言えます。
この『雑』という表現をあえてしたのは、欲と丁寧に向き合うには非常にパワーがいるため、雑なほうが楽だということ伝えるためでした。
欲というのは数式のように明確な数字で答えがありません。
つまり、何かしら自分が欲しいと思っているモノを作って満たすという方が『楽』なのです。
言い換えれば、『衝動買い』『勢いやノリで買ってしまった』というのはただ自分の欲と向き合うことをせず、一時凌ぎをしただけだと言えるのです。
成功する人は欲の満たし方を知っている
ここでは成功=資産の大きさと定義し言えば、成功する人は欲を素直に受け入れます。
しかし、物欲であれば買うという選択肢だけでなく、ドーパミンを出し続けられるものを買います。
モノは買ってしまえば、新しい欲に支出させるきっかけになりますが、旅行や皆と集まり食事をすることへの支出は皆と共感し合いながら欲を満たすことができ、経験(思い出)は永続的です。
経験や思い出・情報・音楽や映画・本などの作品で満たす欲というのは、瞬間的な快楽の反対であると言われています。
そのため、特に海外の成功者は頻繁に旅行へ出かけ、瞑想したり、読書、スポーツをしてドーパミンを出す習慣をつくっています。
ここで気づく方もいると思いますが、外へ出かけ・知らない土地を歩く・スポーツをするというのは太陽を浴びることになります。
幸福物質とも言われるセロトニンが出しやすい条件になるのです。
つまり、物欲以上にたくさんの欲を満たす術を知っていれば物欲など単体の欲に目が行きにくくなるのです。
そのことが結果として不必要な支出を抑えることに繋がっていきます。
セロトニン とは?
セロトニンはストレスに対する対抗物質です。
このセロトニンは日光を浴びることで生成され、不安感や頭の回転などにも貢献します。
逆に、精神疾患の患者の多くはセロトニンが欠乏していることが多く、近年の抗うつ薬(SSRIやSNRI)などの多くはセロトニンの量を増やす効果のあるものが多いです。
この脳内のセロトニンが減少する因果関係は、食生活や生活習慣・ストレスなどだとされています。
人間は欲に抗うことは不可能
マズローの法則で見る人間の欲の多さ
ちなみに、アメリカの心理学者 マズローの『マズローの法則(マズローの欲求五段階説・自己実現理論)』では
- 「生理的欲求」
- 「安全の欲求」
- 「社会的欲求(所属と愛の欲求)」
- 「承認欲求」
- 「自己実現の欲求」
の5段階があり、その欲は物質的な欲求なのか、精神的な欲求なのか、外的・内的・欠けているものを補いたいのか、さらに向上させたいのか、という分類ができるとされています。
つまり、
人間は欲に抗うことは不可能だということです。
一流の富裕層はさらに欲深い理由
お金持ちや欲深い・貪欲だと揶揄される機会が多くあります。
しかし、それは揶揄する側が揶揄する側の器でしか欲を図ることができないためです。
もっとわかりやすく言えば、社会奉仕活動や社会貢献したい、人の役に立ちたいというのは承認欲求・社会的欲求だけではないとされています。
つまり、自分の生きてきた中で築かれた資産や名誉などによってできた当たり前の世界から抜け出したいという欲が生まれます。
今の政治家はどうかは別として、過去の政治家や改革者の多くは一般的な五段階の欲求の上を感じた人物だと言われています。
名誉が欲しい・お金が欲しいという欲を度返しさせたいという欲があるからこそ、卓越した一流の富裕層は生かされている(=生きるモチベーション)と言えるのです。
物欲や欲がなくなるとどうなるのか?
欲がなくなるというのは、今までの話で言うようになくなることはないことが前提に人間はできています。
つまり、欲を我慢し過ぎて欲を感じなくなる(=欲の感覚が麻痺する)とモチベーションはもちろん幸福感が得られにくくなります。
逆に
欲しいものは何か
食べたいものは何か
自分は何をしたいのか
が、わからないと精神疾患になる予兆ともされているので注意が必要です。
極端に欲を理由とした節制や抑制は『お金のため』だけに生きることになってしまうことに、気づいておくべきでしょう。
欲を抑制することを美化しすぎるとお金は増えない
例えば、質素倹約というのが浪費を抑えるだけであればいいですが、必要な支出まで制限するとお金に飼われてような状態になります。
他にも『こだわりを持たない』ことや『執着しない』のも美化と考えるのは安易だと言えます。
むしろ、
こだわりを持って生きるために欲が備わっていると考えれば、こだわり続ける方がお金は得られやすい循環になります。
もっと言えば、見た目を派手にすればお金が出ていくか、というと全く関係はなく、地味にしておけばお金が貯まるという関係性や論文なども見当たりません。
この派手か地味かで言えば、派手な色味の方が一般的にはドーパミンが出やすいという視覚心理効果があります。
ラグジュアリーブランドの服は比較的鮮やかな色味が多いのも、着用する心理効果と相対性を持たせる理由があるともされています。
欲とお金と人生を整理する
- 欲は基本的に無くならない
- 欲は我慢せず、満たすというマインドに切り替える
- 『欲が満たされたかどうか』はモノでもお金でもなく神経伝達物質の問題
- 欲深い・貪欲なことに嫌悪感を抱かない
- お金を持つことが欲なのか、お金を使いたいのが欲なのかを振り返る
- 物欲を満たす以上に、自分を満たすものが実は多く存在することを知る