日本のソーシャルレンディング、危険?それとも最新の資産運用モデルに?

日本のソーシャルレンディング、危険?それとも最新の資産運用モデルに?

日本のソーシャルレンディング、危険?それとも最新の資産運用モデルに?

『レンディング』という言葉は暗号資産やブロックチェーンでもよく聞かれ、投資の新たなトレンドシグナルが灯ったとも言える状態になっています。

ソーシャルレンディング自体の説明も今からしっかりしていきますが、簡単に言えば私たち投資家側が事業資金の貸し手となり借り手をインターネットで仲介し、金利を受け取るというのがシンプルなスキームです。

そもそも、インターネット上で融資を募ると言うこと自体が、「大丈夫か?」と思う方も多いでしょう。

儲かる、インカムゲイン化ができる優れた資産運用の手段になるかと期待される一方、ソーシャルレンディング(SL)の規制を2023年には金融商品取引法や内閣府令を改正し強化する方針を日本政府として発表しています。

水面化では行政処分を受けている企業もあるため、不安因子は未だ取り除けていないのは事実だと言えます。

さて、ソーシャルレンディングの解説から始めて参ります。

ソーシャルレンディングとは?

元々ソーシャルレンディングのソーシャルというのはソーシャルワーキングに類似した意味合いで社会貢献に近いビジネスモデルへの出資者を募るスキームでした。

2005年イギリスで始まり、アメリカなどでも普及し、日本には2008年ごろから資金調達の方法として情報が入るようになりました。

資金の貸し手と借り手をインターネットで仲介するサービスをソーシャルレンディングと呼び、海外ではP2P(Peer to Peer)レンディングと呼ばれています。

ソーシャルレンディングの前にはクラウドファンディングというトレンドがありましたが、スキームは似ていて不特定多数の個人・企業が、運営会社のプラットフォームを通じて企業(スタートアップ企業が多い)などに資金を貸し出します。

日本のソーシャルレンディング市場の規模感

現在もっとも多く使われている貸付型ソーシャルレンディングで1,125億円規模の市場となっています。

*出典元日本クラウドファンディング協会の市場調査

実際金額で見ると多いか少ないか、意見が分かれそうですが、東証プライムの900社以上は1000億円以上の売り上げがあることを考えると市場規模は現在成長中とも言えるでしょう。

によると、3種類のクラウドファンディングの2020年度実績(投資金額)は次の通りです。

日本でのソーシャルレンディングの種類

基本的には貸付型のソーシャルレンディングが主流ですが、株式投資型のソーシャルレンディングでは未公開株やプライベート・エクイティーのようなスキームが多く上場していない企業の株式を購入するというものもあります。

他にも、元々は企業からの出資を募ることで不動産開発や商業ビルの開発・建設で使われていた不動産投資型のレンディングもあります。

しかし、この不動産投資型と既存の不動産事業への出資と異なる部分は、基本的に仲介者が内輪にいるかいないか、という部分だと言えます。

ソーシャルレンディングはあくまでもプラットフォームの運営のみであることを理解しておく必要があります。

ソーシャルレンディングとクラウドファンディングの区別ができない

ここまで読み進めてみて、ソーシャルレンディングとクラウドファンディングとの違いが見つけられないと感じた方もいるはずです。

基本的にソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一種と考えても問題はないと言えます。

クラウドファンディングで寄付ではなく、貸付するというようなモデルです。

ソーシャルレンディングサービスに参入している10の企業

No

サイト名

運営会社

サービス 開始日

主なテーマ

累計応募額

1

maneo

maneoマーケット (株)

2008/10/15

国内不動産、国内事業性資金、エネル ギー、海外不動産、海外事業性資金

1,109億円

2

SBIソーシャル レンディング

(株)SBIソーシャルレ ンディング

2011/3/28

国内個人ローン、国内不動産、国内事業 性資金、エネルギー、海外事業性資金

478億円

3

クラウドバンク

日本クラウド証券 (株)

2013/12/5

エネルギー、国内事業性資金、国内不動 産、海外個人ローン、海外事業性資金

260億円

4

LCレンディング

(株)LCレンディング

2015/7/3

国内不動産

171億円

5

ラッキーバンク ※

ラッキーバンク・イ ンベストメント(株)

2014/12/11

国内不動産

155億円

6

グリーンインフ ラレンディング

(株)グリーンインフラ レンディング

2016/9/26

エネルギー(太陽光発電事業、バイオマス 発電事業など)

148億円

7

クラウドクレ ジット

クラウドクレジット (株)

2013/6/1

新興国(南米、ヨーロッパ、アフリカなど) の個人ローン、新興国事業性資金

83億円

8

クラウドリース

(株)Crowd Lease

2016/2/8

国内事業性資金(アミューズメント事業、 飲食業など)、国内不動産

82億円

9

ガイアファン ディング

ガイアファンディン グ(株)

2015/10/1

米国不動産

62億円

10

みんなのクレジット※

(株)みんなのクレ ジット

2016/4/8

国内不動産

45億円

※ラッキーバンクは、2018年3月、貸付先審査・担保物件評価に係る誤解表示について行政処分(業務改善命令)※ みんなのクレジットは、 2017年3月、貸付先・担保に係る誤解表示その他投資者保護上の問題について行政処分(業

務停止命令等)、その後現在に至るまで業務休止中

(出所) クラウドポート(ソーシャルレンディング比較サイト)

寄付型クラウドファンディングとは?

寄付型クラウドファンディングは、事業プロジェクトや支援したい企業へ寄付を行うことを言います。

返礼の有無等様々ですが、あくまでも『同志』への支援金とも考えることができるため、投資という機能性はないと言えます。

もちろん、寄付というだけあり、企業はその寄付されたお金の返済義務はなく、利息を支払う必要もありません。

その代わり、それだけ出資者への訴求内容の質は問われるものだと言えます。

融資型ソーシャルレンディングと融資型クラウドファンディングの違い

不動産投資型ソーシャルレンディングの解説で説明した答えと似ていますが、融資型クラウドファンディングは、融資を仲介するものが内輪にいるかいないか、という部分です。

  • 融資型クラウドファンディングは、一つの事業やプロジェクトに対して、複数の投資家が間接的に融資をおこなうものです。
  • 貸付型ソーシャルレンディングは、プロジェクト運営側が融資を募るのではなく、ソーシャルレンディングサービスを行なっている仲介会社が投資家からの出資金を集め事業やプロジェクトへ融資を行います。

つまり仲介者がいるかいないか、という部分で大きな差が生まれます

ソーシャルレンディングで資産運用すると儲かるのか?

あくまでもソーシャルレンディングはクラウドファンディングと違い利益を出す、運用益の確保というのが目的で拠出するため、どれだけハイリスクでも儲かれば利用する投資家はいると言えます。

ちなみに、ソーシャルレンディングで公表されている年利は10%なので、優良案件であれば不動産投資での目標年利と同等レベルの収益率があります。

しかし、やはり年利が高いものはリスクが高いという当たり前の条件があります。

例えば、低リスク案件で企業側やプロジェクトサイドが公募すると、担保や元本への補償などが付帯されます。

すると、どうしても年利は低い案件となってしまいます。

ここで投資家側の心理として、どうしても既存の安定的なスキームである不動産賃貸の投資の方が安心できる、と感じるのではないでしょうか?

不動産投資ではなくソーシャルレンディングを選ぶ理由

少額投資・少額資本での参入がしやすいのがソーシャルレンディング

不動産投資を行い年利10%を目指すには、まず自己資本だけで購入できるかどうかという問題があります。

少なくとも1棟買いや単室だけで仮に年利10%を確保しても収益額は知れています。

それに加え、融資を受ける必要性があるため、自分自身で融資枠を確保できない、或いは自己資本が少額である場合は不動産投資はできません。

その点、

ソーシャルレンディングは小口の投資を募り多くの案件に

分散することができるというメリットがあります。

さらに、不動産投資であれば管理する人材。管理会社の調達・清掃・居住者のクレーム対応等がありますが、ソーシャルレンディングが外部から資金だけを出資するので、お金さえ出せばあとは分配金を待つだけで良いという環境を用意することができます。

ソーシャルレンディングの裏の顔

ソーシャルレンディングの危険性やリスク

ソーシャルレンディングで資産運用する側のベクトルは理にかなっているとして、

ソーシャルレンディングを利用する企業やプロジェクト側の優位性は何か?

ということに疑問を感じることも重要です。

スタートアップ企業で信用や担保がない場合、融資枠や資金調達が難しいということは想定できます。

しかし、金融機関の融資情報や政府の助成金事情を知れば、スタートアップでも十分に既存の金融スキームで資金調達ができるというのも事実です。

つまり、

プロの金融機関の与信審査では通らず、エンジェルなどの投資家の目では有益性・有効性が感じられず落とされた案件も含まれるということです。

少なくとも、現在のマイナス金利時代にあえて外部から分配金を払って融資を受けるというのは何かしら裏の事情がある可能性もあるということを念頭におくべきでしょう。

クラウドファンディングとスキームは似ていても、『支援したい』から見返りを求めないのとは大きく異なる部分があるのです。

元本の回収が不能・できないデフォルトを起こす可能性

ソーシャルレンディングには2重リスクが伴う

まず、ソーシャルレンディングでは投資家は2つのステークホルダーが存在することになります。

  1. ソーシャルレンディングサービスを提供する仲介会社
  2. 資金を融資するプロジェクト・企業

つまり、この2社のどちらかが急な景気後退や天災などの外部要因も含め経営状態が悪化した場合、約束はあってないような状態になってしまいます。

通常のプロジェクトや企業への融資であれば、仲介を挟まない分、この部分に関してのリスクは半分です。

途中で解約すると損が大きい・資金を回収が不能

ソーシャルレンディングとFXや株式投資の違いは自由売却ができないという部分です。

定期預金や終身保険などでの解約返戻金とは異なる大きな損失を招くことがあり得ます。

運用期間中にソーシャルレンディングを途中解約した場合、元本が回収できる可能性は非常に少ないです。

基本的に契約内容では融資先のプロジェクトや企業には利払いの義務はありますが、借入金自体の返済義務がなくキャッシュフローに融資されたお金が含まれて既に動いてしまっているからです。

『少額投資ができる』≒資本の少ない投資家も多い

ということを考えると、かなり慎重に決断をするべきでしょう。

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