なぜsupremeを買い、悪評を言いながら着るのか

なぜsupremeを買い、悪評を言いながら着るのか

なぜsupremeを買い、悪評を言いながら着るのか

supremeはシュプリームの意味を知ってみる

Supremeというのは造語ではなく実際ある英単語です。

日本語にすると『最高、最上、至高』などという意味です。

Supremeのブランド名は、設立者のJames Jebbia(ジェームス・ジェビア)とJames Jebbiaが当時付き合っていた彼女が、紙にいろんな単語などを書き出して『supreme』に決まったとされています。

ヨーロッパのブランドは創設者の名前をブランド名にする場合も多いですが、(ドルチェ&ガッバーナやジョルジオアルマーニなどアメリカのブランドでも Stussyは創設者の名前です)ブランド名の由来は偶然から生まれたようです。

supremeの本質と歴史がsupremeの魅力

1994年頃設立されたとされているSupremeは、『ケイト・モス』をモデルに起用したカルバン・クラインのモノクロ広告に無許可で『Supremeロゴのステッカー』を貼るプロモーションで一気に知名度を上げました。

言うまでもなく肖像権や著作権問題があり、カルバン・クラインから抗議を受けました。

『NEWYORKTIMES』で特集されたsupremeのマーケティング

設立初期にsupremeで働いていたPOOKY(プーキー)は、代表であるJames Jebbiaから渡された10,000枚のステッカーをニューヨークの街中に貼り付けたという法律度外視のプロモーション・マーケティングに『NEWYORKTIMES』は特集枠を作った歴史があります。

グラフィティーアートやスプレーアートなどをする際に、自分が描いた、縄張りなどを意味するステッカーの貼り付けは何ともストリート色の強いマインドを感じさせます。

尚、今でこそ『シティージャック』『ステーションジャック』マーケティングやプロモーションがありますが、あの時代だからできたこととも言えます。

supremeのJames Jebbia経営目線でも尊敬される実績を持つ

supremeのJames Jebbiaの生い立ちとキャリア

James Jebbia(ジェームス・ジェビア)

生年月日:1963年7月22日
住居:アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン
国籍:イギリス国籍
活動期間:1978年~

ジェームス・ジェビアはアメリカ合衆国で生まれ1歳の時に両親とともにイギリスのウェスト・サセックスに転居しました。

そして19歳になったときにニューヨークに拠点を移し、Parachute(パラシュート)と言う店舗に就職します。

7年後の1989年ジェームス・ジェビアが26歳の時に伝説のセレクトショップといわれるUnion NYCを創業しました。

日本でもUNION TOKYOを2018年に出店しています。https://www.uniontokyo.jp

supremeとUnionNYCとStussy

Union NYCを設立した同時期に“Shawn Stussy(ショーン・ステューシー)”と出会います。

ジェームス・ジェビアはUnion NYCを設立し、シュプリームの設立までにStussy NYCの設立に協力しStussyの一員として働き一つキャリアを築いたのでした。

そして1994年に『supreme シュプリーム』が誕生しました。

supremeが壊したのはストリートカルチャー?

supremeの店内は百貨店に出店しても不思議でないほどVMDがしっかり組まれており、どこになにが品出しされているかわからないような従来のスケートショップとは一線をひきました。

これがミニマリズムなのか、というよりもストリートブランドやファッションがラグジュアリーブランドに参入するきっかけとも言える瞬間でした。

 

 

supremeのボックスロゴが自己顕示力

購買意欲に火を付ける理由

supremeのボックスロゴは圧倒的なパワーを持ち、ジョーダンのジャンプマンやルイヴィトンのモノグラムと同じようにブランドとしての価値を誇示できるものとなりました。

多くの海外セレブがsupremeのボックスロゴアイテムを着用し、同じものを持ちたいという購買心理や経済的優位性を誇示できるアイテムとして一つの自己顕示欲を満たすアイテムとなっていきました。

木村拓哉さんや、窪塚洋介さんを代表とする日本のファッショニスタの着用も注目される要員と言えます。

さらに、多くのブランドとのコラボレーションはお金があるからすぐに買えるものではないという部分では、ラグジュアリーブランドとも少し違う購買意欲をそそるものとなりました。

今更?あえて?着たいのがsupreme

流行りなのか・好みなのか

supremeは前述通り自己顕示欲を満たせるアイテムとしてSNSで、多くの着用画像が出てきます。

supremeはバブルトレンドを引き起こしているのは事実ですが、supremeはこれまでも裏原ファッションブーム時にバブルトレンドを生み出しました。

その時からのsupreme愛用者は、今回のsupremeブームに乗るファッショニスタと一緒にされたくないという声も聞かれます。

しかし、それでも着用するsupremeファンが消えない理由は『supreme』というブランドがNIKEなどと密接に関わり、なくてはならない存在になっているのも事実だと言えます。

 

 

 

海外セレブや国内の芸能人がインスタなどで着用してる姿が多いです。

コラボ品であったり、何かしら派手な話題を振る舞うイメージがあります。

さらには日本での人気はここ数年でピークを迎えており、ちょっとしたトレンドとなっています。

自分自身が本当にSupremeの良さに気付いて着ているのか?ただミーハーで広告に釣られて買ってないか?という意地悪なところで、苦手意識が生まれてるようです。

ただ、Supremeのような形でヒットしトレンドになったブランドは多く存在するので、その点「今更かよ」と思うおしゃれさんが多いでしょうね。

supremeは『欲しい』ではなく『欲しかった』顧客たち

「今更supreme?」というトレンドメイカーたちもいますが、逆にエアマックスやジョーダンなどのセカンドブーム同様の購買意欲が生まれているのは事実だと言えます。

当時10代〜20代前半の経済的に余裕のなかった人たちが、欲しかったけど買えなかったものを『今買いたい』と思うのは通常の物欲とは異なり、ファッションの粋を超え趣味やコレクションとも言えます。

この購買意欲はまるで、昔憧れていたGT-Rを現行ではなく当時のものを探して購入する心理に類似していると言えます。

 

supremeの立ち位置と反骨心

supremeというブランドは時代背景も含め、今後同じようなブランドは生み出せないはずです。

『ファッションブランド』自体が完全に飽和し、コンプライアンスなどが絡み合い、ポリシーを掲げないと商売ができない状況になったためです。

近年でいえば、日本伝統である着物帯への扱いなどが酷評を生んだブランドがありました。

supremeが設立当時行った、政治を皮肉ったり、無許可でのキャラクターやパッケージの使用などはありえない時代です。

ある意味、反骨心溢れるブランドマインドと自由があります。

その歴史は今から築けるものではなく、消せないキャリアなのです。

そんなブランドが資本の大きいラグジュアリーブランドやファストブランドに飲み込まれないように顧客が支援したくなる心理も理解できるはずです。

ハイブランドとのコラボレーション

2021年発表されたTiffanyとのコラボレーションアイテムを含め、supremeは多くのラグジュアリーブランドとのコラボレーションを実現してきました。

近年ではこのコラボレーションはファストブランドの代表格であるユニクロもマーケティングに取り入れています。

supremeは一匹狼の皆とは違う路線で走ってきた中で、順応性は非常に高くスピーディにアクションを起こすことができた点もトレンドを生み出した背景にあると言えます。

それこそ、カルバンクラインのケイトモスのポスターですら、本当に自分のブランドの広告塔として採用できてしまっているのです。

ルイヴィトンとsupremeのコラボレーションは未だに高額取引をされていますが、あくまでもストリートブランド・スケーターブランドとラグジュアリーブランドが肩を並べることに意味があるというメッセージ性も伝わります。

これがどちらもラグジュアリーブランドであれば実現しなかったもので、ルイヴィトンとグッチのコラボレーションが実現しないのと同じ理由だと言えます。

プレミアの付く洋服を生みの親

supremeと言えば、5年以上前のボックスロゴが今の定価よりも上回っているという不思議な状況を生むアイテムが多いということです。

これを『プレミア』と呼び、ビンテージデニム同様に『新しい=価値高』という概念に疑問符を与えたと言えます。

特にこのプレミアマーケティングこそ今のファッションブランドを引っ張っていると言えます。

偽物・コピー商品の存在

SUPREMEの偽物が非常に多いのも特徴です。

簡単なロゴであり、比較的技術的な面でコピーを作るのは難しいことではないと言えます。

しかし、supremeも複雑な心境だと言えるでしょう。

ストリートカルチャーやスケーターの経済的事情というのは、身に染みて理解しており、『憧れの存在』になれた証とも言えるからです。

CHANELやルイヴィトンもコピー商品に頭を悩まされ続けていますが、誰しもが欲しいと思わないアイテムはコピーすらされないのです。

店員の待遇・対応接客

客を選べるブランドだからこそ、店員は販売員でなくなった

ラグジュアリーブランドスケーター・ストリートファッションの差というのは、『自由度』とも言えるでしょう。

ルイヴィトンはお客さんを選ぶために顧客・VIPラウンジや、イベントを開催する戦略をとりましたが、そもそも販売する量や客層も異なり、supremeはお客さん自体を選べる存在なのです。

『無理に買わなくていい』ではなく、『着て欲しくない』『自分たちのマインドを理解していない』と思えば仲間として認めないように接客の質を落とせるということです。

ある意味の安売り・お願い商売(ぜひお買い求めください)しているブランドと一緒にするな!というメッセージ性を感じるのは確かです。

でなければ、そもそもsupremeの輪も組織も存在し続けることができないからです。

逆に言えば、自分のたちの仲間と認められた時には、学生時代の少し不良の先輩に仲良くしてもらっているような不思議な胸の鼓動を感じるのかもしれません。