ハイブランドのモノグラム戦線にルイヴィトンがヴァージルアブローを武器にする
ヴァージルアブローは2018年にルイヴィトンのメンズアーティスティックディレクターに就任しました。
まだ39歳という若さ(2019年現在)で自社ブランド『OFF WHITEオフ-ホワイト』を大成功させ、supremeの次世代を担う有力ブランドとして知名度とブランドバリューを拡大しています。
元々は建築土木を学んでおり、イリノイ工科大学では修士号を取得するほどの逸材です。
しかし2012年に世界のヒップホップアーティストカニエ・ウエストのDONDAブランドのクリエイティブディレクターとなり、ファッション業界に進出しました。
一流養成学校のファッショニスタライターもヴァージルアブローLVを購入
ルイヴィトン離れを止める『らしさ』と斬新さ
老舗ラグジュアリーブランドのルイヴィトンは、カニエ・ウエストとの関わりも深く2009年にコラボレーションしたスニーカーを発売して大成功しました。
ルイヴィトンのアパレルに関しては、ボックスシルエットの日本人にはダブっとしたサイズ感にイタリアトレンドが生まれた頃からトレンドであるスキニー・タイトシルエットとは逆行するラインを多く発売したため、デザイナーズブランドに随分顧客が流れているという評価を受けている時期がありました。
しかし、近年supreme(シュプリーム)とのコラボレーションを皮切りに、ストリートテイストをミックスすることで若者の購買意欲を掻き立てることに成功しました。
ルイヴィトンの新世代『モノグラム』ヴァージルアブロー時代
ヴァージルアブローはマークジェイコブス時代のルイヴィトンを取り戻す?
ルイヴィトンは今までモノグラムのカラーリングに変化を付ける時に、大きなトレンドを生む傾向にあります。
マルチカラーと呼ばれるモノグラムをカラフルな彩色で色取ったデザインは、財布やカバン、ベルトなど老舗の堅苦しさをなくすファッショナブルな革新を起こしました。
他にもミニランなどモノグラムのサイズを小さくした時も、高評価があり現在エクリプスなどモノグラムのカラーリングが揃っており、尚且つモノトーンコーディネートまでできるようになったルイヴィトンは令和一発目の大きなトレンドを生む予感です。
ヴァージルアブローのデザインは斬新でどこか懐かしい
ヴァージルアブローの特徴は良い意味で潔くモノグラムを使い切るところだと言えます。
ルイヴィトンの定番商品は、『さりげなく』が多く一見ルイヴィトンかわからないコレクションも多くあります。
この作品たちは素材を意識させた、ブランドバリューを守るアイテムとも考えられエルメスやブリオーニ、ラルフローレンパープルレーベル(ブラックレーベル共に)更にはトムフォードなどの最高級メゾンとの格式や立ち位置をゆるぎないものしようとさせる意図も考えられます。
しかし、ヴァージルアブローの作品はオフホワイトも含めて『実用的』『アクティブ』『スポーティ』な部分が垣間見ることができ、日本でいうと一つ前のsupremeやApeなど裏原ファッションブームを通ってきた世代の心を掴むデザインだと言えます。
GUCCIブームに負けない『ルイヴィトン』作りにヴァージルアブローが貢献
グッチやディオール、バレンティノ、サンローランパリと多くのブランドが近年勝負を仕掛けています。
グッチはトレンドサイクルにうまくバッティングしたため、グッチカラーやGGモノグラムの再燃、高級スウェット・スポーツウェアブームを牽引しています。
ルイヴィトンは一方で、スポーツウエアやセットアップのスウェットなどはバリエーションがまだ少なく今期増えたモノグラムのスポーツパンツなどはきっと若い富裕層などにマッチングするニーズだと言えるでしょう。