クビ覚悟のサラリーマン、コンプライアンスなんてクソ喰らえ。
いきなり見本にならないような見出しを書き出した滝枝です。
最近生命保険業界では不正募集、業界は様々ですが、収賄・賄賂・汚職とメディアでは報道されない日はない。というくらい色々なコンプライアンス(法律遵守・法律を守りましょうという決め事)に抵触した話を聞きます。
そんな中ビジネスシーンでどこのタイミングでコンプライアンスが無視され始め、どこから無法地帯のように様々な違反が出てきたのか。
営業マンは皆、横領をしようと思って会社に入ったわけでもないのになぜこんなにも、大変な世界が出来上がってしまったのかをお話したいと思います。
クビ覚悟の営業マンとコンプライアンスを無視する上司
営業マンがまずコンプライアンスを無視するタイミングは、ノルマが達成できないときです。
私の周りでもたくさんいました。
当時は重要事項説明の責任がそこまでまだ強くなく、不利なことは言わない、有利なことを過剰に言う営業マンは多くいました。
もちろん、そんな不利有利な説明をし始めるところから、営業マンの世界は変わってきます。
もちろん、上司である管理職もそうです。
どうにか部署・課の予算を達成させるために、部下を叱咤する。
「どうにかして契約をとってこい」そう言いながら営業車の鍵を投げるなんてことは日常茶飯事でした。
クビ・降格が掛かったサバイバル。足の引っ張り合いも含めそれがビジネスだった
契約を取れない営業マンはクビ。
今ではもうできないことですが、何かしら理由をつけて営業部署からは外され、年収がどんどん落ちるポジションに回されるという流れでしょうか。
「契約を取れない営業マンはクビ」そんなことを言って、売り上げの上げることのできない責任者(上司)も事実上クビ・降格。
そんな、首の皮一枚という日々が続くと、「どうせクビになるならコンプライアンスより売り上げだ」という思考になってしまいます。
今、金融機関などで、ノルマの廃止がされ始めたのは、コンプライアンスを社員に守らすためには無理な契約の煽り(契約を取れという行為)をしないのが一番だと言うことに気づき始めたのです。
完全歩合の営業マンと、コンプライアンス
ブラック企業とは違う完全歩合の世界
働き方・営業方針などを定め始めたのはつい数年前の話です。
企業体質上、体育会系とも呼ばれる企業は完全歩合制の給料制度を作っています。
そうなると、結婚して子供がいる営業マンは、契約が取れなければ養っていけなくなる恐怖をいつも抱え日々を過ごしています。
だから、コンプライアンスを後回しに契約を優先してしまうのです。
ここまで読んで、「営業マンの自分にどうしろと言うんだ」という気持ちになるかもしれません。
クビを覚悟で営業マンは仕事をする『コンプライアンスと必要悪』
コンプライアンスを遵守するために重要事項説明を本当に上段から下段まで説明を受けたことがある人はいないと思います。
そして、営業マンは説明した経験もないと思います。
では、これはコンプライアンス違反なのか。『一部省略』は悪ではないのか?という話になってきます。
大手の自動車ディーラーでは未だに、販売約款の説明トレーニングを行なっていないところがあります。
『クーリングオフはできません』それだけは伝えること。
だけだそうです。
これは、会社から教わっていないからしなかった。という言い分も正しいですが、お客さんに渡す限りはちゃんと読んでいれば防げることもあります。
自分や自分の家族を守るためには、誰もやっていないことをやらないといけない時代です。
そして、誰もやっていないことをやるからこそ、一流の営業マンになれるのです。
クビより厳しい罪悪感と、一生『クセ』になる不正の癖
最近では、開き直った営業マンが会社に報復するかのように、コンプライアンス違反をしているケースもあります。
バレなければ良いと。
しかし、罪悪感は一生ついてきます。
そして、いつの間にか不正をしているという実感すら麻痺してくるでしょう。
ふとした瞬間に。
営業マンがサボるのと、お金を不正に受け取ったり、契約を無理に取ることはワケが違います。
クビ覚悟のサラリーマン、コンプライアンスなんてクソ喰らえ。
そう思えるなら、「クビ覚悟で、上司なんてクソ喰らえ」で言われたことを無視して結果を挙げたほうが人間として、ビジネスマンとしてカッコいいのではないでしょうか。