営業マンが『介護で退職』は避けられる?

営業マンが『介護で退職』は避けられる?

営業マンの『介護で退職』は避けられる?

今回は『絶対俺は金持ちになる』『一流になる!』そう思っている方や、やっと芽が出てきたかもしれない。そう思い始めたときに、出くわす人生の大きな決断についてお話しようと思います。

人生の大きな決断とはずばり『親の介護』です。

親の介護と仕事の両立は難しい

会社の福利厚生に『介護休暇』や『介護休業』があることは知っている方が多いと思います。

ただ、『介護休暇』は年に5日程度と非常に短い日数です。

この短い日数でより効率よく介護環境を整えるかが仕事と介護を両立する上で重要な課題です。

長期化する場合には『介護休業』を取得する必要があります。

介護休業とは14日間以上の長期にわたり常時介護が必要な家族を介護する為の休業です。



介護にはどれだけ種類があるのか

*要支援状態:日常生活に支援が必要になった状態

*要介護状態:寝たきりや認知症等で介護を必要とする状態

つまり手を貸して(=支援して)もらえれば自立した日常生活が送りやすくなる状態が要支援状態であり、手を貸してもらわないと日常生活を送ることが困難な状態が要介護状態と言えます。

ただし介護保険制度は基本的に65歳以上が対象となります。

40歳以上65歳未満の場合その症状が加齢によるものと判断されなければこの保険制度を受けることはできません。

営業マンが『介護保険制度』を理解するには?

介護保険制度は『加齢』によるものだけ。

という部分キーポイントになってきます。

具体的に言えば、65歳以上であれば『頭をぶつけて脳梗塞になった』場合

介護保険制度を受けることができます。

しかし、45歳の人が『頭をぶつけて脳梗塞になった』場合介護保険制度は受けられません。

ところが、若年性アルツハイマーという診断が45歳の別の人で出た場合、介護保険制度を受けることができます。

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外傷性だからなのか?」ということも疑問にあがりますが、『加齢』を起因とした病気の発症であるため介護保険制度を受けることができるのです。

営業マンでもわかる、介護保険制度の仕組み

要支援1
食事、排泄、移動、入浴といった日常生活は大半自力で行うことができるが、症状の進行を防ぐために、買い物やお金の出納管理など一部支援が必要な状態を言います。

介護保険制度の支給限度額は月額5万30円です。

週1回の介護予防訪問や月2回のショートステイなどの介護サービスを受けることができます。

要支援2
要支援1と比べて生活動作能力に低下が見られ、身の回りの世話などに何らかの介助を必要とし、立ち上がりや歩行などに支えが必要となる場合です。

介護保険制度の支給限度額は月額10万4,730円。

一例として、週2回の介護予防訪問、月2回のショートステイや歩行を補助するための杖や福祉用具の貸与といった介護サービスを受けることができます。

要介護1
要支援状態からさらに能力低下し、部分的な介護が必要で、立ち上がりや歩行の際にも不安定さが見られる状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額16万6,920円です。

一例として、週3回の訪問介護、週1回の訪問看護、週2回のデイサービス利用、3カ月の間に1週間程度のショートステイ、歩行を補助するための杖や福祉用具の貸与といった介護サービスを受けることができます。

要介護2
要介護1の状態に加え、日常生活動作においても部分的な介護が必要になり、物忘れや理解力の低下が見られる状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額19万6,160円。

一例として、週3回の訪問介護、週1回の訪問看護、週3回のデイサービス利用、3カ月の間に1週間程度のショートステイ、認知症老人徘徊感知機器や歩行を補助するための杖や福祉用具の貸与といった介護サービスを受けることができます。

要介護3
日常生活動作、手段的日常生活動作の両方の能力が低下し全面的な介護が必要な状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額26万9,310円。

一例として、週2回の訪問介護、週1回の訪問看護、週3回のデイサービス利用、毎日1回の夜間の巡回型訪問介護、2カ月の間に1週間程度のショートステイを受けることができ、車椅子や特殊寝台などの福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。

要介護4
要介護3と比べてさらに動作能力に低下が見られ、排泄を1人で行うことができないなど、介護なしに日常生活を送ることが困難な状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額30万8,060円。一例として、週6回の訪問介護、週2回の訪問看護、週1回のデイサービス利用、毎日1回の夜間対応型訪問介護、2カ月の間に1週間程度のショートステイ、車椅子や特殊寝台などの福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。

要介護5
日常生活動作、手段的日常生活動作の両方の能力が著しく低下し、「意思の伝達が困難」「寝たきり」など、生活全般にわたって全面的な介助を必要とする状態をいいます。
介護保険制度の支給限度額は月額36万650円。一例として、週5回の訪問介護、週2回の訪問看護、週1回のデイサービス利用、毎日2回の夜間対応型訪問介護、1カ月の間に1週間ほどのショートステイ、特殊寝台やエアーマットなどの福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。

営業マンは『介護認定』が待てない

介護認定がされず何ヶ月も家族の日常生活の負担になるという話をよく耳にします。

『ケアマネージャー』と『医師』『市区町村の担当者』の連携で行われる介護認定は人口が多い地域では時間を要することがよくあります。

高齢化が進み、常に数えきれないほどの認定申請があるため、順番待ちも仕方がないですが、仕事をしていてずっと介護をしているわけにも行かず、仕事に行くわけにも行かない。

そして、介護という精神的ストレスは本人にしか言い表せないものがあります。

営業マンが知るべき『介護認定』のチャンス

「田舎の方でもA市は1ヶ月はかかるけど隣のB町なら2週間で認定できたよ。祖父がS区で認定を待っていた間の3ヶ月はなれない介護で大変な思いだった」

といった事例が実は多くあります。

なぜこういったことが起きるのかというと、認定を受ける市区町村の介護保障に当てる財源の違いと人手不足・能力不足にあると言えます。

そのため、どこで介護をするか、介護認定を受けるのか実家なのか、別宅なのか、自分の家に介護を受ける親を呼ぶのか選択することによって、介護認定を早く受けるチャンスがあります。



営業マンは備えることで『キャリア』が守られる

もし介護認定を受けることを考えるのであれば、入院中にすぐ『診断書』や『ケアマネージャーとの面談』『介護サービスの手配』をすることが重要です。

実際認定を受けるのか悩む時間は必要ありません、認定を受けたから介護保険制度を受けなければならないということでありません。

認定を仕事にされている方には申し訳ないですが、万が一にしか介護保険制度を受けないという気持ちでも認定は受けておくべきだと言えます。

認定には最低でも2週間はかかりますし、今の医療制度で14日以上の入院はよほど看護が必要な状態でない限り不可能です。

「退院してから考えよう」=「キャリアもあとから考えよう」

ということになってしまいます。

必要な時に使えるように悩まず即行動することが重要だと言えます。

営業マンの苦悩『親の介護』(準備不足編)

80代になる両親や祖父母が他府県で2人で暮らしていました。

2人とも年齢相応に脚が上がらなくなり、扉のレール1センチにもつまずくようになってました。

ある日祖母が風呂場で転倒し大腿骨を骨折入院となりました。

退院はしましたがベットから立ち上がることも対位交換(寝返り)を打つこともできなくなってしまいました。

トイレにも立てないためオムツでの排泄を余儀なくされました。



営業マンの介護退職(経験談)

一日一回の訪問看護をお願いしても、この生活を続けることは難しいと予想できます。

年齢を重ねるにつれ、夜中には複数回の排尿があったり、自意識がある場合は自分の意見を主張することももちろんあります。

祖母の旦那との老老介護もこの状態では現実的ではありません。

このご家族は息子さんが勤めていた会社を早期退職し田舎に帰り介護することになりました。

自分の母親や祖父母の排泄の処置や入浴の介助をするのは本当に大変ですし、介護する側もされる側も精神的にすごく辛いでしょう。

営業マンの介護はいつ決断するべきなのか

このような介護で悩む家族にならないためにとるべき行動を上記の体験談を参考にお話しします。

80代になるご両親がお二人で暮らしている。

→ご両親が定年を迎えご夫婦で暮らしている場合、その地域福祉課の方の連絡先は必ずメモしておきましょう。「離れて暮らしているのでもしもの時は・・・』と一言挨拶しておくのもいいかもしれません。

 

年相応に脚が上がらなくなった。

→実はこの時点でこのご夫婦は要支援1or2もしくは要介護1or2の認定を受けることが可能です。

この時点で要支援もしくは要介護の介護認定を受けます。

 

大腿骨を骨折し入院した場合

→入院したらすぐに退院後の生活を考え行動する。

現在の総合病院にはケアマネージャーの資格を持った看護師が多くいるためカウンセリングやマネージメントを依頼する。



営業マンのための『親の介護』への予備知識

・介護老人保健施設

病状が安定していて入院治療の必要がない利用者が、医師や理学療法士のもとで医療ケアやリハビリを受けながら、在宅での介護を目指すための施設です。

在宅復帰を前提としているため長期の利用は受け付けていません。

 

・特別養護老人ホーム(特養)

身体上または精神上の障害により常時介護が必要な状態の人を対象とした施設です。

入居希望者が非常に多いため、順番待ちでなかなか入れないという問題も起きています。

 

・有料老人ホーム

主に民間の企業によって運営されており、『介護付老人ホーム』『住宅型老人ホーム』などがこれに当たります。

入居の対象となる方はホームによって異なります。

概ね65歳以上で『自立』の方から『要支援』『要介護』の方まで幅広く入居することができます。

日々の生活を快適に過ごせるようにサービスが充実しており、居室は基本的に個室となりプライバシーが守られています。

設備が充実しているホームも多く、レストランやシアタールームなどホテルのような快適性を持つ『高級老人ホーム』もあります。

最近では入居金0円や月額利用料が安価なホームや医療ケアが充実しているホームなど様々なニーズに対応しているところも多くあります。

このような施設やホームを早くからリサーチしておくことで緊急事態でもスマートな対応が可能となります。