営業マンにノルマがなくなる時代が来る。要警戒!『営業マン格差が拡がる』

ビジネスマン

6月の上旬にプレスリリースされた文章に驚かされました。

その内容とは地方銀行の営業マンに対するノルマの撤廃です。今回はそんなノルマと営業マンの根深い関係と将来性をお話していこうと思います。

なぜノルマ撤廃に踏み出したのか

福井銀行の発表を参照すると、

『目先の数字を追求し顧客ニーズに合わない商品を販売することを防ぎ、顧客との長期的な信頼関係の構築に注力する姿勢を鮮明にした。』(福井新聞社引用)

というのです。

この言葉の裏には何が隠れているかというと、

営業成績を取るために目先のためならお客様の以降よりも売り上げに注力していた数十年間があるということです。

なぜ今ノルマの廃止に乗り出したのか

これも『営業=売り上げ』の文化が崩壊するきっかけとなった『コンプライアンス』です。

『コンプラ』『コンプラ』と言われていますが、コンプライアンスとは法律と規則を守ることで、お客さんの必要なものを正しい情報でマッチした商品を提案するというのが基本定義です。

しかし、ノルマがあると、社内から「この商品を売れ」「今月はあと3本契約を取れ」と不要なお客様本位ではない営業活動が行われる場面が多くあったということでしょう。

ノルマを廃止すれば、お客様に無理な営業提案をすることもなく、契約時に不正してしまう精神状態に営業マンをさせることもないというのが福井銀行の考えです。



福井銀行のノルマ廃止は銀行や保険業を震え上がらせる

基本的には、このような大きく踏みこんだ転換は大手やメガバンクが先陣を切ってやっていきます。

しかし、今回は地銀からスタートした取り組みなので大手の企業は地銀がやっているならば、自社も取り組まなければならないというスタンスなのです。

三井住友銀行は早かった!『個人向け営業のノルマ廃止思考』

『三井住友銀行が本年度から個人向け営業のノルマを廃止するなどメガバンクでは同様の取り組みが広がっている。』同紙引用2019年6月

この理由として、『個人向けの営業に対して』という部分にも注目が集まります。

法人営業に関してはノルマは続くということです。

それと同時に銀行が動く理由は『金融庁』が常に監視しているからという理由もあるでしょう。

三井住友銀行はなぜ全対象『ノルマ廃止』にしなかったのか

三井住友銀行に関しては元々、保険商品の販売に関してノルマや給料に追加して歩合給を支払うという文化はないに近いようです。(三井住友銀行元窓口からのヒアリング)

要するにほぼ銀行が手数料を持っていくということです

法人に関しては1件あたりの手数料が数百万円以上ということも多く、その一件で支店の一期間の運命を左右するほどの売り上げです。

ということは、個人は窓口に来るお客さんに頑張って提案しよう。だけど、法人だけはしっかり数字を取っていかないといけない。という『どっちを取るか』という選択を迫られた結果の話だと言えます。



銀行でノルマ廃止をスタートさせると次は『保険会社』に注目が集まる

保険会社や保険の代理店などの営業マンは基本的に歩合給で、生計を立てている印象があります。

最近では、保険会社自体の販売力の低下や、代理店の高齢化・商品の値引き競争なども過熱化して利益の取りにくい時代になりました。

その中で、地方銀行打ち出したのが『ノルマなし戦略』です。

保険という業種も金融庁が監視する金融商品です。

そのため、コンプライアンスの厳しさは近年増しており、コンプライアンスの遵守についていけない代理店も増えています。

外資系保険会社はノルマがなくとも業績は変わらない

プルデンシャル生命など歩合制の給料体系を持っている外資系企業に関しては、ノルマがそもそもあってもなくても、『稼ぎたい』という欲がある営業マンばかりが集まっているためノルマは形式なものだと言えます。

ノルマを達成するよりも自分が出し切れるだけのちからで営業をして、契約を取れば報酬を受け取ることができためノルマ自体そもそも必要なない組織だと言えます。

ノルマがなくなった営業マンのモチベーションは保てるのか

輸入車ディーラーなども新車部門では基本的には、1ヶ月で3台の販売がノルマであり、ボーダーラインであることが多いです。

そのボーダーラインがなくなった営業マンは、向上心の高い営業マンほど営業成績は上がり、やる気のない営業マンほどサボり成績が上がらないという格差が生まれることが予想されます。


格差は営業の世界にも拡がり、将来的にはノルマは復活する?

格差社会と呼ばれる現代で、『順位をつけない時代』になりつつあります。

子供たちは徒競走など、競争をする機会が減りつつあり、否定される機会がドンドン減ってきています。

しかし、音楽やコンクールなどアーティストであってもチャートで1位があれば2位もあります。

順位をつける≒これ以上は目指さなければ上にはいけない≒ノルマ=目標

という思考が今の時代に残るのであればノルマの廃止は難しいと言えます。

そしてノルマがあることによってコンプライアンスやお客様の立場に立脚できないという風習は、ノルマではなく『モラル』であり、現代社会を生き残る企業は社員への『モラル教育』が重要だと言えます。

ただし、教える側にモラルがあるかどうか。

全社員の中で、日本でモラルに精通している人材がどれだけいるか、それは別の疑問です。