ビリオネアの買い物哲学:フェラーリは買うがレクサスを買わない理由

ビリオネアの買い物哲学:フェラーリは買うがレクサスを買わない理由

ビリオネアの買い物哲学:フェラーリは買うがレクサスを買わない理由

ビリオネア(億万長者)の買い物には、一般の消費者とは異なる独自の哲学がある。彼らは単に高価なものを買うわけではなく、資産価値・ブランド・ライフスタイルとの整合性を考慮した上で決断を下す。例えば、フェラーリのような超高級スポーツカーは購入する一方で、レクサスのような高級車を選ばないことがある。その理由をエコノミストの視点で分析し、10のポイントに分けて解説する。

1. 資産価値の維持とリセールバリュー

ビリオネアは、購入したモノの価値が長期的にどのように変動するかを考える。フェラーリの限定モデルや希少モデルは、時間が経つほど価値が上がることが多い。例えば、フェラーリの「ラ・フェラーリ」や「F40」は、新車価格をはるかに超える価格で取引される。一方、レクサスは高品質であるものの、一般的な高級車の範疇に収まり、リセールバリューの面でフェラーリほどの資産性を持たない。

1-1.フェラーリの資産価値を最大化するポイント

フェラーリの資産価値を維持し、リセールバリューを最大化するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。まず、どのモデルを選ぶかが鍵となります。

フェラーリの中でも限定生産モデルや特定の人気モデルは資産価値が高く、リセールバリューも安定しやすい傾向にあります。例えば、LaFerrariやEnzoといったハイパーカー、812 CompetizioneやPistaのようなスペシャルモデル、さらにはF40やF50といったクラシックモデルは市場価値が落ちにくいです。一方で、生産台数が多い一般モデルは価値が落ちやすく、特に新車販売時に値引きがあるモデルは注意が必要です。

また、フェラーリの場合、走行距離がリセールバリューに大きく影響を与えます。

年間3,000~5,000km以内に抑えるのが理想であり、1万kmを超えると価値が大きく下がる傾向にあります。しかし、極端に低走行すぎるとエンジンやバッテリーに悪影響を及ぼすため、適度なメンテナンス走行も重要です。

さらに、純正オプションの選び方によっても価値が変動します。カーボンパーツを多く採用した仕様や、ロッソ・コルサやジアッロ・モデナといったフェラーリのシグネチャーカラー、20インチ以上のホイール、デイトナシートやアルカンターラといった特別なインテリア素材、スクーデリアフェラーリのエンブレムなどは、リセール時にプラスの要素になります。

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1-2.フェラーリの資産価値を落としてしまうリスクは?

一方で、アフターパーツのカスタムは市場価値を下げる要因となり、特にマフラーやボディキットを社外品に変更すると敬遠されることが多いです。また、派手すぎるカラーリングやカスタムペイント、内装の組み合わせが特殊すぎる仕様も、リセール時に好みが分かれ、買い手がつきにくくなる可能性があります。

メンテナンスについても、正規ディーラーでの整備を徹底することが価値の維持につながります。フェラーリには純正メンテナンスプログラムが用意されており、例えば7年メンテナンスプランを維持することで、将来の買い手にとって安心材料となります。

オイル交換やタイミングベルトの管理、DCTフルードの適切なメンテナンスは、車両のパフォーマンスを保つだけでなく、査定時の評価にも大きく影響を与えます。

1-3.フェラーリの資産価値はタイミング

また、整備記録をすべて保管し、売却時に提示できるようにすることも重要です。

市場の動向を見極め、売却のタイミングを適切に判断することもリセールバリューを最大化するためには欠かせません。

フェラーリはモデルチェンジの影響を受けやすく、新型が発表されると旧型の価値が下がることが多いため、モデルチェンジ直前に売却することで高値で取引できる可能性が高まります。

また、円安時には海外バイヤーの需要が増えるため、輸出を視野に入れた売却戦略も有効です。

さらに、新しい限定モデルが発表されたタイミングで市場の動向が変化することもあるため、特定のモデルの価値が上昇する可能性を見逃さないようにすることも大切です。

2. ブランドの象徴性とステータスの違い

フェラーリは、単なる高級車ではなく「特別な存在」を象徴するブランドである。F1レースでの実績や、創業から続くレーシングの伝統が、ブランドの希少性と価値を高めている。一方、レクサスは優れた高級車ブランドだが、「実用性の高いラグジュアリーカー」というポジションにあり、唯一無二のステータス性ではフェラーリには及ばない。

3. エモーショナル・バリューと体験の重要性

ビリオネアは、モノを所有することで得られる体験や感情を重視する。フェラーリは、圧倒的なエンジンサウンド、加速性能、ハンドリングの楽しさを提供し、ドライビングそのものが特別な体験となる。対照的に、レクサスは静粛性や快適性に優れるものの、感情を揺さぶるようなエキサイティングな要素は少ない。

4. 限定性と入手の難しさが価値を生む

フェラーリは購入するために特定の条件を満たす必要があり、誰でも簡単に買えるわけではない。例えば、新しい限定モデルを手に入れるには、過去にフェラーリを所有した実績が必要だったり、特定のVIP顧客リストに入っている必要がある。この「購入のハードルの高さ」がブランドの価値をさらに高める。一方、レクサスは基本的に購入の制約がなく、需要と供給のバランスも比較的安定しているため、希少価値の面ではフェラーリほどの魅力を持たない。

5. ラグジュアリーの定義の違い

富裕層にとって、ラグジュアリーとは「ただ高級なもの」ではなく、「手に入りにくく、独自性があるもの」である。フェラーリのカスタムオーダーやワンオフモデルは、個々のオーナーの要望を反映し、世界に一台だけの車を作ることが可能だ。一方、レクサスは高品質な量産型の高級車であり、「自分だけの一台」という特別感には欠ける。

6. コネクションを広げるためのツール

フェラーリのオーナーズクラブやイベントは、世界中の富裕層とのつながりを作る場でもある。フェラーリを所有することで、同じ価値観を持つエリート層と交流でき、ビジネスや人脈形成の機会が増える。一方、レクサスは高級車としてのステータスはあるものの、所有することで特定のネットワークにアクセスできるわけではない。

7. 遊び心と非合理性の許容

ビリオネアは、全ての買い物を合理的な判断だけで行うわけではない。フェラーリのようなスーパーカーは、実用性よりも「夢」や「遊び心」に価値を見出す。燃費が悪く、荷物も積めない車であっても、走る楽しさや所有する喜びがあれば、それだけで十分な価値がある。一方、レクサスは実用性や快適性に優れた高級車であり、ビリオネアにとって「特別な贅沢品」としての魅力は少ない。

8. マーケットでの差別化戦略

フェラーリは、意図的に生産台数を抑え、供給を制限することで希少価値を高めている。これは高級ブランド戦略として極めて効果的であり、長期的にブランド価値を維持することができる。一方、レクサスは高級車市場でのシェア拡大を重視しており、供給制限による希少価値の演出は行っていない。この戦略の違いが、ビリオネアの選択にも影響を与えている。

9. タイムレスな価値と文化的影響

フェラーリは、何十年経っても価値を持つクラシックカーとしての側面もある。例えば、1960年代のフェラーリ「250 GTO」は、現在数十億円の価値を持つ。一方、レクサスは信頼性の高い高級車ブランドだが、数十年後に「文化的価値」や「クラシックカーとしての資産価値」が大きく上がる可能性は低い。

10. 「成功の証」としての役割

ビリオネアにとって、フェラーリは「成功の証」としての意味も持つ。スーパーカーは、一般の人々が憧れ、簡単には手に入れられない象徴的な存在であり、自己の成功を可視化する手段となる。一方、レクサスは高級車としての地位はあるものの、「所有することが成功の証」としてのインパクトはフェラーリほど強くない。

まとめ:ビリオネアがフェラーリを選ぶ理由

ビリオネアは、単に高級なものを買うのではなく、「資産価値」「ステータス」「体験」「ネットワーク」「ブランド戦略」などを総合的に考えて選択する。フェラーリは、そのすべての要素を満たしており、単なる移動手段ではなく「文化的・経済的価値を持つ資産」として認識されている。一方で、レクサスは高級車としての魅力はあるが、フェラーリほどのステータス性や資産価値を提供するものではない。これが、ビリオネアがフェラーリを選び、レクサスを選ばない理由なのだ。

参考図書

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