一流の経営者の『脅威の記憶力』
一流の経営者は、驚くべき記憶力を持っていることが多いです。
驚くというレベルではなく、もはや脅威と言ってもよいレベルです。
私はこれまで、輸入車のセールスや金融商品の営業を行い、多くの成功者や成功者になる前の人々を見てきました。
そんな彼らは記憶をするまでのプロセスとして多くの情報を素早く理解し、重要なデータを瞬時に引っ張り出すスキルを持っていました。
そんな驚くべき記憶や暗記、インプットのスキルはどのように培われたのか、顧客になり関係性を深めた顧客から聞いた記憶のノウハウを紹介します。
なぜ一流の経営者は記憶・暗記・インプットができるのか
一流の経営者になった人物で、尚且つ記憶力は抜群に良い人は『覚える』という意識を持っていないことが多いです。
この1文章ではイメージがつきにくいかもしれませんが、記憶・暗記・インプットは類義語ではありますが、同一とは言えません。
記憶とインプットは効率良く、瞬時に行うには脳で『情報の処理』を行い理解した上で記憶します。
例えて言うならば、英語を勉強している学生が英文を丸暗記して記憶するのと、文法を意識して記憶するのとの差でしょうか。
実際一流の経営者の記憶の方法もいくつかのパターンがありました。
まるでスキャンをしているようにカタチで記憶するパターンと、完全に理解した上で記憶するパターンです。
天才・異端とも称される経営者は比較的、書類をスキャンしてPDFのように脳へインプットするスタイル場合が多いです。
完全に理解して記憶するのは、記憶の仕方や自分が何かを円滑に記憶する方法をスキルとして身につけている経営者がいます。
両者の大きな違いは記憶した内容の理解です。
単純に文字の羅列として記憶できる場合、記憶した情報を応用するのには不向きです。
つまり、何を記憶したが曖昧なのです。
それに比べて、情報処理をしながら記憶する方法は、過去のインプットした情報に関連付けして記憶していくため、自然にマインドマッピングされます。
=新しい情報を既存の知識や経験と関連付けることで、記憶を定着させ、情報をイメージ化することで、脳に強い印象を与える
自動車のセールスが覚えるべきクルマのスペックで言うならば、メルセデスベンツのCクラスの全長や全幅、排気量などの諸元表を記憶した場合、情報処理をしながら覚えると、クラウンよりも○センチ大きい、前型よりも○センチ大きくなったから〇〇mmだと記憶します。
一方、完全スキャン型の記憶ではこのプロセスは存在しません。
成功と記憶力の相関関係を具体化させられるか
成功者と記憶力の関係は、近年の研究で興味深い相関が示されています。
具体的に言えば、脳科学の分野と心理学の分野で『脳のプラスチシティ』と主体に研究されています。
その中の統計で経営者の中には比較的他の職業よりも驚異的な記憶力を持つ人が多いことが分かっています。
やはり記憶する前のプロセスである、情報処理能力を含めビジネスにおいての成功は記憶力が優位性を高めると言えます。
情報のインプット形式(情報の吸収)→情報の理解→情報の格納(記憶する情報を整理し脳内で並び替えが行われる)→アウトプットの準備(自分の言葉で説明するため)
このようにプロセスを整理するとやっていることは、受験生とさほど変わりはないとも言えます。
しかし、受験生や一般の会社員とは違うのは、この記憶する情報量が莫大であるということです。
バカでも記憶力が高い人もいる
ここで、『経営者は賢い』と解釈するのも一つですが、記憶力だけに限って言えばバカでも記憶力が高い場合があります。
例えば、ビジネスや勉学においてはさっぱり何も覚えられないのに、好きなアイドルやクルマの名前や車種、その他の関連する情報は暗唱できる人が多いのです。
もっと言えば、学業で言えば中卒の俳優でも映画の主人公として一般人が記憶できない量のセリフをインプットすることができます。
セリフを覚えることはできるが、論文を記憶したり日経平均株価と為替の変動を記憶することはできないという場合がほとんどです。
そのため、『記憶力と賢さ』は近いようで、実は一線を画したものだと言えます。
経営で成功するためだけの記憶力とは?
ただ好きな歌詞を覚えるように記憶すればいいのか、というとビジネスのシーンでは不適格で、関連付けして応用できるだけの可変性を記憶する情報に持たせる記憶が有効的です。
つまりは優先順位、記憶する1つの情報の中でも特に優先でインデックス化されるべき事柄というような記憶を整頓させながら蓄積させていく記憶です。
簡潔化させるのか、他の情報とリンクさせるのか、リンクさせる何かを探すという意識を記憶するのか。
経営やビジネスにおいては単純な記憶力だけではないと言えます。
知識に溺れるほど記憶できる経営者の記憶力
経営者や成功者は、ビジネスの世界において高度な専門知識を持つことが重要です。
専門的な知識を記憶させるには、基礎を記憶させる前準備が必要です。
専門的な知識をいきなり入れるのは記憶力をコントロールする上でプロセスが欠落しているため、記憶の定着や応用が難しくなります。
つまり、特に成功する経営者の中で記憶力に優れている人は無意識に記憶・インプットを常に行いどの分野においても基礎的な情報を蓄えている状態であると仮説することができます。
脳の中に図書館やGoogleの検索エンジンが入っているのではなく、知識や情報のプールに自分が浮いているというようなイメージなのです。
できる経営者のアクティブリコール能力と記憶力の関係
私たちの脳は記憶をするスペックは進化し続けます。
もちろん、衰退もします。
その中で無意識に記憶している情報があります。
例えば、日常生活で言えば香りなども一つの記憶です。
この人の匂いというタイトルのない情報は、いつかどこかで嗅いだ時、あの人の匂いだ、と思い出すはずです。
それが、香水であれば香水の名前やブランドの名前とリンクし、その人の趣味趣向をイメージすることができます。
しかし、この『記憶』は自分で呼び起こすことは得意としません。
なぜなら、その香り・匂いを五感で感じない限り思い出さないからです。
PTSDやフラッシュバックも似たような現象です。
記憶されているが意識的に記憶された情報ではないものが、自分の心に強く衝撃を与え、同じシチュエーションで勝手に思い出される現象です。
その点で言えば経営者の記憶は何かの拍子に思い出すのではなく、自分自身が思い出したい時にメモ書きを探すかのように記憶した情報を抽出できる記憶の仕方をします。
脳科学や脳神経の世界ではこのような記憶を『アクティブリコール』と呼びます。
つまり。呼び戻したい記憶をコントロールすることができる一つのスキルが記憶力に含まれているのです。
特に、天才的な経営者はこの『アクティブリコール』のスピードが速く、呼び戻しから関連付けが莫大な情報で行われます。
そのため、『普通』の人よりも問題解決能力が高いと評価されるのです。
ストレスに強い経営者は『記憶力』で自己コントロールをする
ストレスを感じる時、人は自然にそのストレスの事案に意識が向いてしまい、散漫になります。
ストレスの波から抜け出したい、と思っても普通の人は抜け出せずモチベーションやパフォーマンスが低下します。
ストレスはストレスを感じた記憶とリンクし拡張されるのではないか、と私は思っていたのですが、ストレスに強い経営者は違うようです。
もっと強いパワーでストレスへの対処方法を呼び起こすのです。
負の感情が脳の神経で放出されたと、放出した脳が情報を伝達させ、その負の情報に対する『特効薬になる情報・知識・成功経験』を伝達させるのです。
このことにより、経営者は『記憶力』で自己管理を円滑に行なっていると言えます。